・黒曜編・
御名前変換
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「いーや、医療班じゃないよ」
『!?』
「ぐっ…」
「ッ…!」
「!」
『む…骸さんっ!!犬さん!千種さん!』
「な!?」
ジャラジャラと重たい音が場を制圧した。鎖の拘束具によって一手に引き摺られた3人に手を伸ばす。
それを阻むように私の前に立った男の灰色の髪に灰色の目と、まるで鎖を連想させるような色に、耳に付けられた幾つものピアス。左の首筋に彫られた星のマークが、目についた。
「―――初めまして、
お姫サマ?」
『なっ…』
「い…一体誰!?」
「クフフ…。
復讐者(ヴィンディチェ)…随分早いですね」
「ゔ、復讐者…?」
男は冷たい顔から一変、ぱ!と顔を上げると
「やあ!次期ボンゴレ10代目。貴公にも初めましてだね。
俺は鎖煌。こいつら復讐者の最高責任者だ。俺達は、まァー…マフィア界の掟の番人というものでね。
こいつらみたいな法で裁けない奴らを裁く…ま、管理人みたいなもんだよ。
以後、お見知り置きを…。」
妙なまでに恭しく腰を折る鎖煌。
嫌な汗が滲んだ。
『っ…骸さん達を、どうするおつもりですか』
「うん?お姫サマにしては頭の悪い質問だ。決まってるだろ?
3人とも永久に牢獄行きだよ。
…ああ、!皆々様、ご協力してくれてどうもありがとう。もう帰っていいよ。」
『っ……!』
「ただし、
お姫サマは俺と来てもらう」
『…!?』
「…何の為だい」
恭弥さんが、私と鎖煌の間に立つ
「尋問…って言ったら仰々しいかな。調査だよ、ちょーうーさ。ほら、お姫サマこの件に無関係ってわけじゃないからさ。」
「…その子は…無関係ですよ」
「黙れよ」
「ぐゥッ!!!」
『骸さん!!!』
笑顔を向けたまま、冷淡な声で骸さんの鎖を引いた鎖煌。
必然的に骸さんの首が絞まる
「―――うるさいな。お前には聞いてないよ。
さ、!じゃあ行こうか。お姫サマ!」
『……』
笑顔のまま出された右手を受け取る気には―――…なれなくて
「―――…お姫サマ?」
『、……っ…
お話なら…、ボンゴレ本部でお窺い致します、』
「……。
ヘェ…?」
冷たい声に一瞬だけ怯みそうになる。
こちらからは手出ができない。危害を加えればボンゴレに飛び火する…っ
『今は護衛対象である10代目ファミリーが優先です。この件にボンゴレが関わった事は事実ですから、調査なら後日改めて本部で「御託はいい。
…任意とでも思ったのかい?お姫サマ。これは俺の
命 令 だ 。」
『!』
全身が、鎖に巻き付かれたような錯覚に陥る
…今、この人に逆らってはいけない、そんな警報音が響いた
『………わかりました。』
「!愛吏…」
『大丈夫です、骸さん
……ただ、話をするだけですから』
笑みを止めない鎖煌を見て、言う。
鎖煌を睨んだままの恭弥さんに、行ってきます、と言って、綱吉さまに向き直る
『……行って、きます』
「う…うん、行ってらっしゃい…は、早く帰ってきてね?」
…帰ってきて、いいんですね…
『…っ、はい!』
「さ、行くよお姫サマ」
差し出された手は取らずに、歩きだす
後ろで鎖煌が笑顔を消した気がするけれど、振り向かなかった
「…愛吏!」
ただ、恭弥さんの声には
「―――…待ってる」
『っ…――はいっ!』
振り向いて、笑いかけた
もう、私の居場所は、1つだけじゃないから。
(必ず帰ってくると)
(誓いましょう)
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