・黒曜編・
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とうに覚悟はしていた。
骸さんの頬を撫で、犬さんと千種さんの転がっていた肩を抱き寄せる。
綱吉さまとリボーンさんの眼を見つめた。
『―――――…7年前のことです。
9代目が、私達を拾ってくださるよりも昔のこと。
私は…エストラーネオファミリーというマフィアに監禁され、人体実験を受けていました。』
「は…!?」
「エストラーネオファミリー…禁弾の憑依弾を作ったファミリーだな」
「禁弾?それはてめーらの都合でつけたんだろーが!
研究が批判されたおかげで俺らのファミリーは人でなしのレッテルを貼られ、他のマフィアからひっでー迫害を受けた!外に出れば銃を向けられ、虫けらみてーに殺される…っ。
それが、ファミリーの大人たちが推し進めていた特殊兵器開発の実験にますます拍車を掛けたびょん……!」
「…だから愛吏が、拐われることになった」
「っな…なんで愛吏が!?」
『……
―――“天界の申し子”――
リボーンさんなら、聞いたことがありますねよ』
「ッッ!!!」
びくりと揺れるリボーンさんの体。
…禁弾を見た時でも、動揺しませんでしたのにね。
『―――私、なんです。』
「まさか…っいや、そんな…あるはずがねぇ……!!!」
『…そうですね。とても信じられないことです。実際私でさえ未だに自分がなんなのか理解っていませんから…』
「俺達のファミリーがどーやって愛吏のことを知ったのかはわかんねー。
ただ…迫害を受けて、躍起になったアイツらは狂ったように力を求めてたびょん。”信じらんねー”っていうそれを信じて、捜し回って。」
「そうして…執念で愛吏という存在を見つけ出した大人達は、……エストラーネオファミリーは。愛吏を奪い取った。」
『……その前の記憶はありません。”私がどこから拐われたのか”、…きっと、骸さんなら知っているのでしょうけれど。
エストラーネオファミリーに誘拐され、監禁されていた私は…そこで兄さま…
愛羅に遭いました。』
「…え、?遭った……?」
『…はい。
私と愛羅は、双子の兄妹なんかありません。』
「えっ…
ええええ!?」
『そして愛羅は
―――人間では、ない』
「…に…
人…間…じゃ、ない……、は、ぇっ…え…!?」
『愛羅がどうして、鏡であれほど苦しんでいるか…わかりますか?』
「ぇ…い…いや…」
『愛羅は、…愛羅は。
私が実体を創った……
鏡の中に居た、思念体なんです』
「っいやいやいや!?ちょ、ちょっと待って!ど、どういう…も、なにがなんだかッ、…!」
『突然こんな、御伽噺みたいなこと言われても信じられませんよね。
けれどすべて。事実なんです。』
そう。全て
全て、7年前の事。
――――――………
気付くと、私は牢屋に閉じ込められていた。
何があったのか全くわからなかったけれど、それでもわかったのは
ここに居ては、ならないという事。
必死に逃げようとした。
手足に繋がれた頑丈過ぎる鎖を、枷を、必死に取ろうとした。
そこにやってきたのが、私を攫ったエストラーネオファミリーの男達だった。
「無駄だ。ここには結界を張ってある。お前の力も仕えない」
「化け物でも、こーみりゃただのガキだな!」
「あっさり死んでくれるなよ。お前の力は利用価値が大きい」
「ま、お前が死んでも…泣くやつはいねーけどな」
…実験体にされる日々の中では、絶望しか生まれなくて。
寒くて痛くて苦しくて怖くて堪らない日々。ただ1人きりの暗闇。
それが、死ぬより怖かった。
『…そんな時でした。
―――愛羅に遭ったのは。』
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