・黒曜編・
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――――……
「クフフ…まだ僕にはやるべき事がありましてね。地獄の底から舞い戻ってきましたよ。」
「そんなことが…っ」
――できるわけが、ない。
否、それは目の前で実証されている。
「10代目!ここは俺に!」
「!だけど相手は…」
「臨・兵・闘・者!」
「(魔よけ――!?どこでそんな知識を――!?)」
「……うっ、うう…」
「効くのかよ…」
「う…!」
ビアンキの体が倒れ、一度静まる。けれどもう解っていた。骸は、いる。その媒体がビアンキだけではないことも。
「ど…どーしよう…でも演技って事も…」
「わかんねーな」
「ビ……ビアンキ…?」
「沢田!」
愛吏の元に居た場所から勢い良く飛んで、沢田の後ろに立った獄寺…
を、乗っ取った骸を押さえ込む
「邪魔をしないでください、愛羅」
「骸お前!さっき撃ったの…ッ…!」
『―――――憑依弾』
「「!?」」
「「!」」
愛吏が、ぽつりと呟いた。覚悟をした目。その覚悟が、俺には受け容れられない。
「愛吏…知ってるの……?」
『…死ぬ気弾や嘆き弾と同じ、特殊弾です。
その名の通り他人の肉体に取りつき、乗っ取り…自在にする弾…』
「…あるファミリーが開発した特殊弾だ。
こいつを使い熟すには強い精神力だけじゃなく弾との相性の良さが必要だが、まさか骸…お前が使えるとはな…」
ある、ファミリー。それは
「だが、使用法があまりにも酷かった為、マフィア界で禁弾とされ弾も製法も葬られたはずだぞ」
「生き残りがあったんだろ、目の前で使われてるのがそうだ。チッ……いつ持ち出したんだか…!」
「マインドコントロールの比ではありませんよ。愛吏が言ったように、乗っ取るのです。そして頭の天辺から爪先まで支配する。
つまりこの体は僕のものだ。さあ、次は君に憑依する番ですよ。ボンゴレ10代目」
「なっ…お、俺?!」
「やはりお前の目的は…」
「………」
「クフフフ……目的ではなく、手段ですよ。
若きマフィアのボスを手中に納めてから、僕達の復讐は始まる」
「僕…達…?」
『……』
「させるかよ。」
「!愛羅…?!」
「ああ…愛羅。貴方は本当に、僕の邪魔をする気なんですね」
「当たり前だ!お前、今!自分が何やってるかわかってないだろ?!」
「クフフ…貴方とやるには、この体では三秒も保ちませんね」
「沢田、三叉槍に傷つけられるなよ。…憑依される」
「その通りです。
もっとも、僕はこの行為を“契約する”と言っていますがね」
獄寺の媒体から、ビアンキへ。
そしてビアンキに渡った三叉槍は
『…!』
後ろで、愛吏が小さく息を呑んだのがわかった。
ああ、まだ、まだ希望は、ある。
雲雀を媒体にした骸は俺に近づき、トンファーを構えた
「…骸、やめろ」
「できませんね」
「その体こそ――…
もう、使えないだろ」
「!」
トンファーを振り下ろした雲雀の体が倒れそうになるのを片手で止める。
「…自分で壊した体くらいわかるだろ?
愛吏を護ろうとして、取り戻そうとして、酷使した体じゃ、無理だ。」
「……この男は…一体愛吏の何を知っていると言うんです?」
「なんにも知らねーよ。…1つもな。何も知らねーで、それでも愛吏の隣に居ようとしてる馬鹿だ。」
「…本当に、愚かですよ」
「……」
「ちょ…ちょっと待って愛羅!
愛吏…愛吏がどうしたの?!なんで骸は愛吏を…!」
「………」
…愛吏は、ずっと俯き黙ったままだ。
「今の君に話す事などない…
愛羅には大人しくしていてもらいますよ」
雲雀の体を放し、骸の気配が一旦消える。
次にそれは、4人の媒体に分散して現れた。
「!獄寺…ビアンキ、犬に千種までか、よ…っ…
…!!!」
体に激痛が走る。
この感じは、まさか
また、やる気か………!!!
「愛羅?!え、な、なんで?!」
―――理由は明確。
「次は…逃がしませんよ」
犬と千種が持つ、姿見。
―――――”合わされた”。
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