・黒曜編・
御名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…………!!!』
全てを思い出した後。
意識が覚醒して、抱き留めてくれていた骸さんから離れる
―――私…いつの間に、消されて…っ、?
「愛吏!」
『!ぁ…愛羅っ、!!
恭弥さん!!!獄寺さん…綱吉さま!!…!』
骸さんにやられたであろう綱吉さまの元へ行こうとして、腕を捕まれる
『骸さん…っ』
「愛吏から…手、離しなよ」
「…離しませんよ」
「…へぇ…。覚悟はいいかい?」
「…クフフ…仕方ない。君から片付けましょう」
『!やっ…』
言い終える前に、骸さんが動く
「一瞬で終わりますよ」
金属音が、その早さを表すように鳴り響く
私は、傷だらけの恭弥さんを見ていることしかできなくて。
「君の一瞬っていつまで?」
「……」
「やっぱり強い!さすが雲雀さん!」
「こいつらを侮るなよ骸。
お前が思っているよりずっと伸び盛りだぞ」
「なるほど、そのようですね。
彼が怪我をしてなければ勝負はわからなかったかもしれない」
恭弥さんの肩から血が吹き出し、畳み掛けるように骸さんが取った行動は
「さ…桜!?まさか、雲雀さんのサクラクラ病を利用して…!」
「クフフ…さあ、また跪いてもらいましょう」
『恭弥さん!!』
倒れそうになった恭弥さんに、我慢出来ずステージから飛び降りる
「――…残念だったな、骸」
愛羅のその言葉が聞こえたのは、直後だった。
打撃音と共に、恭弥さんのトンファーが骸さんにめり込む
「―――――おや?」
「へへ…甘かったな。シャマルからこいつを預かってきたのさ。
サクラクラ病の処方箋だ」
「そ…それじゃあ!」
「桜はもう、雲雀の弱点じゃねぇ」
そのまま恭弥さんが二回目の攻撃をし、骸さんの体が宙を舞う
同時に桜の幻覚も消え、…全てが終わったような感覚に陥る、けど。
「―――愛吏」
…恭弥さんが覚束ない足取りで、それでも私に向かって歩み寄り、手を伸ばしてくれる
「愛吏、…帰る…よ…」
その手を掴めないまま、倒れた恭弥さんを抱き締める
骨は何本も折れているだろうし、出血も酷かった。
『……恭弥さん』
――――ごめんなさい
この体を離せない。離したくない。それでも、離さなければならない。
「――…終わってねぇよ」
愛羅が銃を取出しながら骸さんに近寄るのを見て、ゆっくりと恭弥さんを寝かせる
「起きろ、骸。どーせ生きてんだろうが」
「…クフフ…。愛羅、君の目は誤魔化せませんね」
銃を構えた2人が対峙する間に入ろうとして、…背筋が凍った
『まさかっ…その弾!』
「お前!!」
「…クフフフ。
Arrivederci.(また会いましょう)」
発砲し、骸さんの体が力なく倒れた
「やりやがった…!」
『っ…どうして……そこまで、!』
どうして、貴方は。
「おい愛吏、こいつ今何―――…」
『ダメです獄寺さん!三叉槍に「ついに…骸を倒したのね」!』
ビアンキさんが起き上がる。あぁ、駄目だ。もう、とうに始まっていたのだ。
私はそれを、止められなかった。
私はどうすればよかったの?
私はどうすればいいの?
私は何を護ればいいの?
私は何を棄てればいいの?
――…私は、
「っ、おい愛吏!愛吏!」
『……愛羅。』
覚悟を、決めなければ。
『私はもう、ボンゴレには戻れません。』
「―――――は…」
私の両肩を掴む愛羅の手が、一瞬震えた
「…っ!(やっぱりこうなるのかよ…!)ざけんな…これはお前が責任負う事じゃねぇだろうが…!」
『――――…ごめんなさい
でも、私が、止めなきゃ。』
骸さんの所為なんて思わない。
骸さんを止める事を、義務だとは思っていない。
私はただ、止めたいだけ。
こうまでになってしまった大切な人を。私のもう一人の片割れを。
その為には、棄てなければ。
その為には、選ばなければ。
……涙を、堪えなければ。
.