・黒曜編・
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「愛吏に何しやがった、骸」
「―――僕はただ、愛吏の記憶を取り戻して…
君たちの記憶を、消しただけですよ。」
「「!」」
「思ったより、君たちの記憶が深く刻まれていましてね…
上書きするのに時間が掛かりました。」
「な、なに……っ何したんだよ!!!愛吏に!」
「言ったでしょう、今。
僕はただ、愛吏を取り戻すだけだ!」
…声が、会話が、入ってこない。
もう何も聞きたく見たくなくて、耳を、目を、閉ざす
この状況は、何…?
「―――愛羅!!!雲雀さん!!!獄寺くん!!!」
『――……!』
俯いていた顔をあげると、何故か懐かしい感じがする人がいて
「――――愛吏。何してんの。」
その声を聞いただけで、涙が出る。でも、その理由はわからなくて。
「!…おい骸……まさか俺の記憶も消したとか言うんじゃねぇだろうな………」
「愛羅…生きていたんですか。まあ、そうでしょうね。貴方があの程度で僕にやられるわけがない。
ええ、消しましたよ。貴方は僕に従う気は無いようでしたから」
「っお前!!」
「あ…愛羅!愛吏が…ッ…!!!」
「……、骸。
お前そこまでして愛吏を取り戻したいか」
「なにを今更…当たり前でしょう」
「記憶を消してまで」
「、ええ。」
「愛吏の意思を無視してまで、」
「……ええ、
その方が愛吏だって苦しまずに済むでしょう?」
「は……アホか。
記憶のない7年間、愛吏が一瞬でも苦しまなかったとでも思ってんのかテメェ」
「「「?!」」」
「そこまで調べたか?調べられたか?!
お前らとの記憶を失って!必死に思い出そうとして苦しんでた愛吏を知ってんのかって聞いてんだよ!!」
「っそ、んな…そんな事があるわけない…!愛吏がそんな事をする必要はなかったはずだ!!」
「無かったよ。
それでも愛吏は思い出そうとした。
思い出す為に、7年前の事だって調べた!それでも思い出せなかった!」
「……愛吏…?」
自分に縋りつく少女を見やる。
瞳は不安に揺れて、薄い水の膜が光を隠して。
ひとつだって思い出せないくせ、そのひとつを大切に抱えようとしてくれていたと、?
『む――――…骸、さ…
あの、私…よく、わからないんです……
…今まで、隣に誰か居たのに…今は居なくて……それが誰かわからなくて、あ、あの方も…あの方も皆、知ってる気がするのに…!』
「……同じ事、させる気か」
ただ笑ってほしかった
いつか傷つくくらいなら全部忘れていて。傷ついたものなら癒してあげるから、互いに補っていけるから、僕たちのことだけ想っていて。
そう、願っていただけなのだ。
「――――ッ!!!
…、…っ…!……愛吏…ッ、
目を…閉じてください、」
『…?は、はい…』
言われた通り目を閉じて骸さんを待つ
するといきなり頭に激痛が起こり、立つ事がままならないほど息が苦しくなる
同時に流れ込む、走馬灯のような映像
『……―――――!!!』
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