・黒曜編・
御名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――――……
爆発音が聞こえて、大分楽になった体を起こす。
音を立てて破壊された目の前の壁。瓦礫と土煙の奥に見えたのは、苦しげに横たわった
「獄寺!」
「ぁ…愛羅?」
「ヤラレタ!ヤラレタ!」
壁の隙間に止まったバーズの鳥が俺の声に被せてくる
「獄寺!おいバカ!死ぬな!」
「っ死なねーよ、!ぃ、って、…!つかオマエら、なに仲良く揃って閉じ込められてんだ…!!」
「「誰が仲良くだ」」
「俺は後からだからな」
「僕は自分で出られた」
「ああハイハイ…」
言い合う俺達をよそに、黄色い鳥は雲雀の肩に止まって
「緑たなびく並盛のー
大なく小なく並がいいー」
「…………雲雀。」
「……何、」
「おま、…お前ッ……!こんな時に何調教してんだ!!!」
「物覚えよくてね。気に入ったんだよ。」
「何なんだお前は
………!、」
2つの気配に軽口を止める。
獄寺の奥で、信じられないという目で俺達を見ていたのは
「愛羅あ?!」
「愛羅…」
「オマエ!骸さんにやられたんじゃっ…?!」
「ざけんな。さすがにそこまで弱くなってねーよ」
「さっきまで倒れてたくせに」
「体力温存だバカヤロウ」
「んあ?そいつ……」
「並盛中学風紀委員長…、雲雀恭弥―――」
「っ…愛羅お前、何されたんだよ…」
「んー?
ちょっと永遠にこの世界に居られなくさせられそうになっただけ」
「それ全然ちょっとじゃねぇだろうが…」
「…獄寺。すぐ応急措置してやるから待ってろ」
「何言ってんの?そこの2匹は…僕がやる」
「お前は黙っとけ」
「…愛羅、どうしても…俺達と一緒に来る気は無いの?」
「無いね。
少なくとも、今の俺にはこれっぽっちもナイ。もしもアイツがお前らと行くと言うなら、俺はそれを全力で止める。」
「…そう…」
「だから悪いけど…
…7年前の縁は、今は無し、な。…」
嫌いとか恨んでるとか、そういうんじゃあないんだよ。
きっと自惚れだけど、俺達はお互いそれなりに気を許してて
あったかもしれない未来では、俺と愛吏はコイツらと一緒に黒曜の制服を着てたんだろう。
だけどダメなんだ
今はもう、そっちの道には行けない。…行かせられない。
嫌いとかじゃない。
傷つけたいわけでもない。
これはただ、違えたもの同士の
「愛羅がそのつもりなら。」
「っ、じゃあ…本気でいくびょん!!」
「ああ…来いよ、」
最初で最後の。ただの、でっけーケンカだよ。
―――――……
『……………、…?』
いつの間に眠っていたのか、目を覚ますと、ソファの後ろに横になっていた
『…骸…さん……?』
立ち上がり、骸さんの姿を探す。一番最初に目に入ったのは、骸さんではなく――――……
「―――…愛吏…!!!」
『、……?』
誰……ですか?
目に入ったのは、体のあちこちに切り傷が入った人。
その人は私の名前を呼んで、安心したような顔をしている
でも、私は、この人を、知らない
「愛吏…?どうし、」
「ああ…、起きましたか。愛吏」
『骸さん…?』
男の子の傍に落ちていた三叉槍の本体を装着すると、骸さんはステージの上に上がって私を抱き締めた
「愛吏?!離れて!そいつは――…っ!!!
目から…死ぬ気の炎!?」
「ほう、見えますか?このオーラこそ、第四の道、修羅道で身につけた格闘能力の闘気」
「修羅道…?スキル…?」
「六道輪廻という言葉をご存じですか?」
「…人は死ぬと生まれ変わって、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天界道のいずれかへ行くというやつだな」
「僕の体には、前世に六道全ての冥界を廻った記憶が刻まれていましてね。
6つの冥界から6つの戦闘能力を授かった。」
「な…なに…言ってんだ?
っそれより愛吏!早く骸から離れて!」
『…?どうして…?』
「…それが本当なら、オメーは
バケモンだな」
『…ば、け』
「ほんと、化け物だよなぁ!」
『ばけ、も…の、?あ、…あ、ぇ……ッ…』
化け物?化け物、なの?ああ、そうか、そうなんだ。私は、私はやっぱり。
さっきから私に意味のわからない言葉を投げ掛けている人を見る。
その目は、怯えていて。
「……ほら、愛吏…
綺麗事を言っていても、所詮彼らはこうやって否定し、怯えるんですよ。そして僕らを傷つける。」
『ぅ…あ、ああ…やだ…やだ、やだやだやだ……やめて…っ!!!』
「愛吏!?」『呼ばないでぇ!!!』
『…どうして……っ…どうして、どうして…?!』
どうして、誰も。
誰も…
理解してくれないの?
.