・黒曜編・
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――――……
「ゆっくり昔話でもしませんか?」
「…お前とする昔話なんざねーよ」
「クフフ、釣れないですねぇ。
……愛羅。貴方も本当は思っているのでしょう?
愛吏は僕達といるべきだ、と。」
「全く思わねぇ、
……なんてことはねぇけどな。そりゃそうだ。
お前らはアイツの過去も力のことも全部知ってる。特にお前は”全部”。
お前らと一緒に居たらアイツは傷つかないさ、絶対にな。でもきっと…それじゃ駄目だ。
アイツはきっと、これから、普通の人間としての痛みも辛さも知らなきゃならない」
「……何故です
何故また傷つく道を選ぶんです!
7年前、僕達とはぐれた後!
貴方達はボンゴレ9代目に拾われた!何故相手がマフィアだと知っててついていったんですか!?
その場で殺す事だって出来たはずだ!乗っ取って、全てのマフィアを潰す事が出来たはず!!
愛吏を絶望に追いやったマフィア共を!!!全滅できた!!!」
激昂する骸を一瞥し、息を吐く
「…そうだな。あの時…いや、なんなら今もそれができる。
けどあの時の俺達はただのガキだった。
だから縋った。だから賭けた。
目の前に伸ばされた
正真正銘、俺達を助けようとしてくれた手に。」
「…………」
「…賭けたんだよ。自分達が感じた、あの人のあたたかさに。あの人の可能性に」
だから俺達はあの手を握った。
離さないで。どうか助けて。恐がらないで。どうか俺達を殺さないで。傷つけないで。もうイヤなんだ。拒まないで。
―――――助けて。
お願い、……お願いだから、
「…どうだい、
私の子供に、ならないかい?」
「…たすけて、くれんの」
「ああ。
もう二度と、君達を酷い目に合わせない。」
「…うそつかないの」
「吐かないよ」
「…りよう、しないの」
「しない。
君達にマフィアは関わらせない。」
「…いつでも、ころせるよ」
「君達が私を憎んだ時、怨んだ時は、殺してくれていい」
「………」
『………』
「…おいで。」
『…………あった、かい、』
「…………たすけて、」
「………」
「『…たすけて……!!!』」
必死に手を伸ばしたあの日を後悔した事などない。
「…あの人は、助けてくれた。
拾い子を養子にして、側近にして…その地位が揺らぐかもしれないのに。
あの人は、計算じゃなく、そうしてくれた。
俺達がマフィアとしてあの人の傍にいると言った日だって、あの人は止めてくれた。それが嬉しかった。だから引き下がらなかった。
…俺達は何も、間違ってない。」
真っ直ぐに骸を見据え、平行に銃を定める
俺達は、何も
何も、間違ってない。
きっと。
「…愛羅はもっと冷静な人だと思っていたんですが…。それも全て、ボンゴレの所為ですかね」
「…骸。もうやめろ…。
愛吏はこのままでいいんだよ、」
「…ッ………」
「だから
、…!っ、あ…?!」
がくん、と膝から崩れ落ちる
骸を見るとその手には
一枚の、鏡。
「――――ッ!!!
…ってめ…ぇ……!」
後ろを見る。今まで布で隠されていたのか、大きな姿見が俺を映していた
「合わせ鏡…やはり”これ”ですか。」
「っ、ぐ……ぅ…!」
息が出来ないほど苦しく、嫌な汗が全身を伝う
骸はゆっくりと、右手に持つ鏡に三叉槍を近付けていく
…あ、これ、やべぇな………
「愛羅。
僕に乗っ取られるのと、鏡に閉じ込められるのでは…どちらが良いですか?」
「っ、…はっ…!ふざけんな…決まってんだろ
俺の主導権をてめーになんざ渡すかよ、!」
思いっきり舌を伸ばして、引き金を引いた
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