・黒曜編・
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桜に眩んだ恭弥さんに駆け寄ろうとしても、私の手を掴んだ手が許してくれない
『離して…!!』
「…離せるわけ無いでしょう。やっと…
やっと逢えた………!!!」
『っ!?』
きつく、きつく抱き締められて苦しくなる
やだ、やだ…恭弥さん、恭弥さんじゃないと、駄目なの、に
『や…っいや…!』
押し戻そうとして、初めてその顔を見る
『……?』
なに、この違和感…?
「…愛吏」
右手が頬に添えられる。
私は、動けなくて
「…ッ……やめろ…!!!」
恭弥さんの声が聞こえる。避けなきゃ、避けなきゃ………!
「―――…六道骸。」
『……ろく、どう、むくろ…』
―――ロクドウムクロ、六道骸、ムクロ、むくろ、骸、骸、むくろ、むくろ、ムクロ、696…
「愛吏…!」
『………―――むくろ、さ…』
勝手に出た言葉に、ぼうっとしていた頭が覚醒する
今、私、なんて……
「愛吏…僕ですよ?骸……ほら、言ってください」
『ぁ…ぃ、…いや…っ…』
言ってしまえば
全てが壊れてしまう。
「…仕方ありませんね」
六道骸はそう言うと、私の頬に添えた手を離し、私から離れる
ほう、と息を吐こうとした時
バキッ
……見たくない、嫌だ、そんな、ああ、
『きょ…や…さ…!!!』
ガッ
「っ……!」
動けない恭弥さんが蹴り飛ばされ、殴られ、痛々しい体を破壊する音が響く
見たくない、見たくない。やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
「……愛吏、退いてください」
『……呼ばないで』
「愛吏、逃げ…『逃げません!』」
蹲る恭弥さんに覆い被るように、六道骸を睨む
『貴方になんて名前を呼ばれたくありません!!!呼ばないで!』
「…酷い言われようですね」
『愛羅はどこ!』
「居ますよ。そこに。」
六道骸が指差した先には、
一枚の、鏡。
『……………
………うそ…でしょう…?』
それを見た瞬間、力が全て抜ける
「…?」
「ああ…雲雀くんはわかりませんか。なら教えてあげましょう」
『!やめっ…!!!』
「月影愛羅は
この世に実在する人間じゃないんですよ?」
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