・黒曜編・
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黒曜ヘルシーランドと書かれた建物は、半壊状態だった
『ここですか…』
「そう。愛吏、君は強いけど…でも、僕の傍から離れないでね」
『はい!もちろんです!』
「……言い切られると…(照れる、ね…)」
敷地内に入った瞬間、黒曜生が次々と襲ってくる
それを、恭弥さんはトンファー、私は落ちていた鉄パイプで応戦する
「…弱いね」
『っ、』
恭弥さんが舌舐めずりをする姿を見て、慌てて目を逸らした
「?」
『(か、かっこいい…
…はっ!こ、こんな時に何考えてるんですか私…!!!)』
火照った頬を両手で冷ましている間に、恭弥さんは斧を振りかざしてきた生徒を吹き飛ばしていた
突き破ったガラスの、その先。
逆光でよく見えないけれど、
ソファに物怖じもせずに座るその人物が――…
「やあ」
「…よく来ましたね」
「ずいぶん探したよ。君がイタズラの首謀者?」
「クフフ、そんなところですかね。そして君の街の新しい秩序」
「寝呆けてるの?並盛に2つ秩序はいらない」
「まったく同感です。僕がなるから君はいらない」
「…それは叶わないよ。君はここで
咬み殺す」
『―――、…』
どうして。
どうして手足が震えるの?
わからない、わからないけれど
『…………やめて…』
やめて。
誰に対してなのか
何に対してなのか、わからない、声にならない言葉を
何度も繰り返した。
――――……
ブチッ
「ひっ、なんだこりゃーっ!」
「レオンの尻尾が切れたな」
ピチピチとうねるそれに青ざめる。
「ひーっ!キモい~~!
つーかカメレオンって尻尾切れるんだっけ?」
「これが起こるって事は…
不吉だ」
俺の言葉を無視して呟いたリボーンの言葉に首を傾げる。
雲雀さんと愛吏が行ったんだから、不吉な事なんて無い…よな?
―――――……
「座ったまま死にたいの?」
やめて。
「クフフフ、面白いことを言いますね。立つ必要が無いから座ってるんですよ」
やめて。
「…………君とはもう、口を利かない」
やめて。
「どーぞお好きに。
ただ今喋っとかないと二度と口が利けなくなりますよ」
「!!」
『やめて!!!』
耐え切れずに恭弥さんの前に両手を広げ立ちふさがる。
「愛吏…?」
「…………」
今すぐ、今すぐこの人の前から遠ざかりたい。そんな気がしてならない。
「…愛吏」
『「?!」』
自然な程に名前を呼ばれた事に、一瞬、躊躇する
「…ああ…やはり…愛羅の言った通りですね。貴女はもう…、何も憶えていない……」
『?!兄さま…っ愛羅に、会ったんですか…?!』
「…ええ……居ますよ。
まだ、ここに。」
『っ…!!!??何、言って…なに…何したんですか!?愛羅に!何をっ…!!!』
「!愛吏!………っ…」
恭弥さんの制止が聞こえるけど、私は銃を構えたまま、その人に近寄った
「おや、大丈夫ですか?」
『…?、恭弥、さん…?』
目の前の人物に注意しながら、恭弥さんを見る、と
「んー?汗が噴き出していますがどうかなさいましたか?」
「黙れ」
「折角心配してあげてるのに。ほら、しっかりしてくださいよ。
僕はこっちですよ」
「!!!」
『恭弥さん?!』
ふらり、立ち眩んだ恭弥さん。
目の前で何が起こってるのかわからなくて、焦って支えようと動こうとしても―…
銃を突き付けた人物が、それを許すはずがなくて。
「海外から取り寄せてみたんです。クフフフ、本当に苦手なんですね。
――――――…桜。」
カチッとスイッチが押された瞬間、天井全体に桜が現れた
『――……恭弥さんっ!!!』
―…どうして。どうして?
揺れる視界。その先が開けた時、その世界はいつでも
真っ暗だった。
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