・黒曜編・
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念の為、屋上に移動して応える
「悪い、学校だった」
【あ、いえ!すみません愛羅さん】
「…なんかあったか?」
レンがいつになく真剣な声で話す
【…それがですね、愛羅さん。…昨日、イタリアで…
集団脱獄事件が起きたんです】
「…脱獄?どこで。」
脱獄なんて、そりゃあ普通にあるだろと、訝しげに返す
すると
【…Beseech prisonで、です】
「…!……」
―…大罪を犯した凶悪なマフィアばかりを収容する監獄。
もちろん、そこに入っていたという時点で着目する必要はある。
けれど一番は、
そこを脱獄する程の力が、あった事だ。
凶悪なマフィアを収容する監獄だから、警備が重厚なのは当たり前だ。扉がそう簡単に開くはずが、ない。
それなのに―…1人だけじゃなく、集団での脱獄。
そんなことができるなら。やり遂げられたのなら。
その道は、1つ。
「…皆殺しか。」
【…そうです。】
他の囚人も、看守も。
【そんで、これは俺らが掴んだ新しい情報なんであまり信じないで欲しいんですけどね、
その脱獄の主犯は
ムクロ、っつー、15歳の男らしいんですよ】
「―――――ッ!!!!」
頭痛が、した。
両足が体重を支え切れずに、その場に力なくへたり座る
何を考えていいのかさえわからずに
ただ、“ムクロ”という単語だけが
頭の中を埋めていった
【…ん……あ…――…らさん?!
愛羅さん!!??】
「……あ……あ……」
【どうしました?!】
「…なんでも…………ない…いや……ああ…」
目眩がして、もう何も考えたくなくなる。まさか、まさか。嘘だろう?なあ、ムクロ…骸。
「……その、…脱獄した連中は………どうした…?」
【こ…これも、俺達の調査結果なんですけど、連中は、
……恐らく日本に向かいました】
「…………ああ…そうか…」
【あ、愛羅さん、そんな信じなくても…
愛羅さんとお嬢なら、そんな奴ら3分もかかりませんって!】
「いや、信じるよ。…その調査は全部当たりだ。…大したもんだよ、お前ら」
【そんな!恐縮です!!】
「…レン。悪いけどこの事件、引き続き調査頼むな。あと、
愛吏にだけは、言うな。絶対だ。いいな。」
【は、はい!】
通話を終えた、携帯の音。
それが、俺達の非日常を、
数年前の日常に戻そうとする音に聞こえた。
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