・日常編・
御名前変換
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…掴んだ手を離すこともできない状況。
さっきまでイライラしていたのなんかどうでもよくて、今は彼女をどうやって泣き止ませるかを必死に考える
「……愛吏」
びくっ、と愛吏の肩が跳ねる
「…おいで」
手は離さないまま、ソファに座り足を人1人分広げる
下から愛吏の顔を見上げていると、どんな体勢になることを理解したのか、泣いて赤くなっている顔を更に赤くさせた
「……愛吏」
もう一度、自分にしては柔らかいであろう声色で、名前を呼ぶ
すると、おずおずと愛吏が動きだしたので、小さく手を引っ張って無理矢理足の間に膝立ちさせた
驚いたのか、涙は止まったようだった
『ぅっ…ひば、りさ…はずかし…い、です…っ』
「そう?なら、泣いてた理由教えなよ。」
『っ…あ、呆れ…ません、か…?』
「うん」
左腕では愛吏の腰を抱き抱え、右手では頭を優しく撫でる
愛吏は、重たく口を開いた
『……怖、くて』
「…怖い?何が?」
『…ドアをノックした時…この前は雲雀さん、私だってわかってるみたいに……や、優しく、いいよって言ってくれたのに、
…さっきは、冷たく…て……わ、私だってわかってて、かな…って……
…昨日の、電話のこともありましたしっ……私っ、雲雀さんに嫌われちゃったのかなって…!』
「………」
話すうちにまた泣き出した愛吏を、抱き締めた
安心するように。不安なんて全て無くなるように。
僕の気持ちが、伝わるように。
「―…僕が嫌いな人間を、こんなふうに抱き締めると思う?」
『………っ』
ゆるゆると頭を横に振った愛吏を横目に見て、少しだけ2人の間に隙間を作る
「―…僕が嫌いな人間に、キスなんてすると思う?」
反応を聞かないうちに、愛吏の唇を塞いだ。
…僕は不器用だから、うまく言葉でなんて表わせられないけど。
それでも行動の裏に、いつでもその言葉はあって。
『…………雲雀さん、私も、大好きです…っ』
そう。そうやって、いつでもその言葉に、ちゃんと気付いてくれる君が
好きなんだ。
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