・日常編・
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「………………」
『………………』
「…愛吏」
『………………』
「愛吏」
『………………』
「………愛吏ッ!!!」
『ッ!?』
びくん、と体が跳ねて、愛吏がこちらを見る
「…何ぼけっとしてんだ、あいつに何言われた何された何で抱き締められてた!!!」
珍しく声を大にして愛吏をまくしたてるも、愛吏は顔を赤くして顔を背けるだけだった
「………。」
げんなり。きっと今の俺の様子を一言で表すなら、これで。
…あの時。
雲雀達を追い掛けて、祭り会場を出たところで見つけたと思ったら、何故か愛吏を抱き締めていて
さすがにそんな少女漫画的な展開を打ち壊すのは気が引け――――るわけもなく。
「っ、帰るぞ愛吏」
『あ、にい…さまっ…?』
「雲雀、お前……
覚悟しとけよ」
「………。
…またね、愛吏」
『は、はい……』
―――…
………で、
何 が あ っ た 。
いや、なんとなくはわかる。ほらあれだろ夏祭りでテンション上がって色恋沙汰の始まりなんだろ?昔からお前ら人間共は祭り好きだからな!この浮かれ頭共が!!!
―…しかしまぁ、これは本当に、非常に由々しき事態である。
まさかなー、いや花見辺りから
あ?なにこのフラグ、折らねーとやばくね?
とは思ってたよーな思ってなかったよーな。くそ、俺のこの緩さがこの事態を呼んだのか?そうなのか?よしちょっとあの日の自分出てこい正座しろ。
『……………』
…俺が頭の中でキャラ崩壊な葛藤をしていても、愛吏は隣でぼうっとしている
…これは明日、雲雀に直接訊くしかねーな。
もちろん、半殺しにしてでも、だ。
+++++
「…で、あいつに何言った何した何で抱き締めた。殺すぞ」
「…本当にやりそうだね」
翌日。
未だぼけっとしてる愛吏と学校に行き、教室に行かないまま応接室に直行した
その際だって、サボると言ったのに、愛吏はいつものように小言を言わずに了承し、そのまま教室に向かっていった
…おかしいだろ。なんだ、それ。
イライラしながら応接室のドアを蹴って入り、雲雀に銃を突き付けて、冒頭に至る。
「…そうだね…うん。……やっぱそうなるのかな」
俺が本気で撃つと思っていないのか、雲雀は自分で納得するように独り言を言う
それさえイライラの種にしかならなくて、今まで出したことなんか無かったであろう、本気の殺気を増幅させる
「………ッ!!!」
雲雀の体が、殺気でところどころ切れる
「早く言えよ」
「…告白、したんだよ」
「……」
嫌だ
……………【嫌だ】?
「愛羅。
僕は愛吏が好きだ。
人を好きになった事なんか、今まで一度だって無かった。1人でいいと思ってた。自分以外になんて要らないと思ってた。
けど、僕は愛吏が好きだ。興味とかじゃなくて…あぁ…そうだな、独占欲、なのかな。愛吏と2人で居たい。
でも、愛吏がそれで傷つくなら、大切だから…我慢しようとも思うさ。」
「………ッ!!!」
…嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…っ!!!!!!
そんな優しい目を、顔をするなよ。そんな眩しい世界に行くなよ。やめろ、連れていくな。だって、愛吏は、愛吏は。
――…そこで、ぶつん、と
何も、見えなくなった。
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