・日常編・
御名前変換
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あの人を見ていると、何故か酷く泣きそうになる
哀しいから?嬉しいから?
よくわからない涙を指で拭うと、兄さまが私の名前を呼んだ
ああ、行かなきゃ。
私が求めた場所に。
「……何か、あったのか」
兄さまのところへ行くと、いつになく真剣な表情の兄さまがそう聞いてきた
『…いえ…』
「じゃ、なんで泣いた?」
『…よく、わからないんです
ただ……、』
「…ただ?」
『……』
ただ、何でしょう
言葉が見つからなくて、なんでもありません、と笑いかけた
「……」
兄さまに嘘は通用しないけれど。
「愛吏!」
綱吉さまに呼ばれて駆け寄ると、2人の女の子が立っていた
「こっちが、笹川京子ちゃん
で、こっちが三浦ハル。」
『!あ…』
「はじめまして!愛吏ちゃん!」
「愛吏ちゃん、並中に転入するんだよね?
一緒のクラスだといいな~!」
「ハルも並中がいいです~!」
「来んなアホ女!」
「ああ!またアホって言いましたね!ハルはアホじゃないです!」
『あ……』
「どうしたの?」
『っ…!、ぅ…』
涙が、さっきと違う、確かな
“嬉しい”という感情の涙で。
春色のスカートを握り締めた手の甲に零れ落ちた
「「………?」」
京子さんとハルさんが不思議そうに見ているのがわかる。
ああ、だめ、前を向かなきゃ……笑わなきゃ。
でも、止まらない。止めたくない。
ふいに、兄さまが私の肩を引き寄せて2人に笑いかけた
「…悪いな、こいつ恥ずかしがりで、同年代の女友達ってあんまいないんだよ。
だから照れてるだけだ。…仲良くしてやってくれな。」
「…!はい!もちろんです!」
「獄寺さんにいじめられたらすぐにハルに言ってくださいね!
ハルがやっつけますから!」
「ンだとコラ!」
獄寺さんとハルさんが言い争っているなか、目の前にいる京子さんが、すっと私に右手を差し出してくれた
「よろしくねっ、愛吏ちゃん!」
『…っ、はい…!』
「あっ、京子ちゃん!抜け駆け禁止ですよ!
愛吏ちゃん、ハルとも握手です!」
『ふわっ、』
2人に両手を握られて、笑いかけられて、暖かくて。
嬉しくて、嬉しくて、
幸せ過ぎて怖くなるけれど
今だけは、この両手を離したくなくて
その手を強く握り返した
繋がった手は友情の証
((愛吏ちゃん…かわいいっ!!!))
(ふむぐっ)
(よかったわね、愛吏)
(ビアンキさん!)
(いやー、かわいこちゃんが4人抱き合ってる景色…いいねぇー♪どれおじさんも、)((死ね))
(に、兄さま…ビアンキさんも…)
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