・未来編・
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「クローム!!」
『!つなよし…』
「ボ…ス…?」
「そーだ、俺だよ!しっかりするんだ!」
綱吉が、クロームの手を握る。
『(…あ…れ…?)』
ふと、自分の両手を見た
手…。手、
『……わたし…、』
…私は、
手を、握られたことが、
……ある?
誰か…誰かに、手を握られた気がする。誰だろう、あれは。
とても暖かくて、泣いた、ような、…
泣いた、んだ。
そうだ……私は、その誰かに手を握られて、泣いたんだ
暖かくて優しくて、はじめてで、嬉しくて、泣いた。
でもそれは、
だれの手だったの?
『……………』
頭が痛い…目眩がする。
ふらふらと力が入らない体をなんとか動かし、扉の前に立った
すると丁度良く扉が開き、誰かとすれ違う
その時横切った香りは、間違えるはずもなく、
「死んでもらっては困る」
『………
…きょう…や…』
―――――やだ
『!?』
頭の中で響いたその声に驚愕して、痛む胸を押さえた
―――――やだ、見たく、ない
『(見たくないって……何…?)』
…まさか、
俯いていた顔を上げる。
そこには、クロームの頭を上げて低く抱き起こす恭弥の姿があった。
―――――恭弥さん、の、手は、
『ッ!!!!』
酷い寒気がした瞬間、弾かれるように医務室を飛び出した
「アイリ?!」
後ろから綱吉が呼ぶ声が響く。
綱吉、が。
『……!!!』
どれくらい走っただろうか。
全力で駆けて、苦しくなって足を止めた
『っは……っ、はぁっ……』
夢中で走ったからか、よくわからない場所に来てしまったらしい
静かと言うより、ただ無音な場所。
力無く座り込むと、急に視界が滲んだ。
『……やだ…』
何が嫌なのだろう
あの時頭に響いたあの声は、
切ない程苦しそうに、懇願するように紡がれたあれは、
一体誰の、言葉だったの。
『…わたし…、じゃない……』
あれは、まさか、
『愛吏………?』
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