・未来編・
御名前変換
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『、…!』
突然、アイリが何かに反応したように立ち上がる。
「…アイリ?」
『……きた、…』
「…?!」
何が、と雲雀が聞く間も無く
アイリは立ち上がり、部屋を出ていってしまった。
―――……
『…………』
医務室。
ベッドで眠る彼女を、見据える。
…そういえば、どうして私は此処に居るんだっけ…?
わからないけれど、なんとなく、…なんとなく
この人を、助けなきゃいけない気がして。
『…………ヴィルゴ。』
名を喚ぶと、隣に光の塊みたいなものが現れる。
そしてそれはじわじわと形を作り、光の塊だったものは女の人へと変わる。
両手を彼女に翳して力を入れていくと、僅かに彼女の体に血の気が増していく。
外傷はそれほど酷くなかったけれど、かなりやつれているように見えた。
「………さ…」
『!』
薄く目を開けて私を見る彼女。
「………愛吏…さま………?」
―――――また。
ふと、両手を降ろした。
…また、私じゃない……私。
…誰?愛吏って。
私はアイリなのに。
『…誰よ、愛吏って……』
《…………》
…―――もしかしたら、私は勘違いをしていたのかもしれない。
此処にいても大丈夫だと、思っていた。
けどそれは間違いで…、私は、私の居場所は、
『……白蘭…』
白蘭の名前を呼ぶだけで、安心できた。
『…白蘭…白蘭…びゃく、らん』
だれか、わたしを、よんでよ。
その時、
「ッ!!!!」
目の前に、赤いものが飛び散った
『…………え…』
見て、数秒後にそれが何か認識する。
赤い、赤い赤い、鉄のような臭いを纏ったそれ。いつだかに見た、
人間の、血。
『――――ひっ、』
言葉を失って、反射的に両手を彼女に翳す
『(なにこれ…なにこれどうなってるの…?!)』
外傷はない
ヴィルゴの力で治癒だってした
なのに、どうして、
『どうしてこんなに吐血してるの…?!』
怖い
自分の所為ではないかと恐怖が募る
『っ、だ、れかっ……!』
ヴィルゴの力さえ追い付かない容態
怖くて、怖くて。
必死に“誰か”を呼んだ
「――――クロームッ!!」
突如開いた医務室の扉から現れたのは、
『!あ、あ、ビアンキっ…ビアンキっ!』
「!アイリっ…治癒してくれていたの?!」
『う、うんっ…でも、ビアンキ、どうしよう!治らないの!無いの!治せないの!!』
「無いって…まさか、っ」
『―――中身がっ…
中身が、無くなってるのぉ!!』