・未来編・
御名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―――…
それから二週間、俺達に関するミルフィオーレの動きは見られないままだった。1日ごとに安堵し、未だ順調なことを確認する。
そして、隼人と武の怪我も治り、修業が強化プログラムに入る際のことだった。
「恭弥を綱吉の家庭教師に、ね…」
「ああ。適任だろ?」
リボーンが笑う。
「……ま、そうだな……」
…あの日、あの後――…
恐らく――初めて泣いたであろう、涙を流して悔いる恭弥に
とりあえず一発お見舞いし(アイリを傷つけたのだから当たり前だ)(殺さなかっただけでも感謝してほしい)
折り合いがついた、と、自嘲気味に微笑する恭弥を見届けて、一先ず安心した
今の恭弥なら、大丈夫だろう。
まあ、
「間違って綱吉を殺さなきゃいいけどな……」
言い切った後、遠くから小さな走る音が聞こえてくる。
アイリだろう、と“アイラ”に戻ると、丁度アイリが息を切らして入ってきた
「…アイリ様?どう致しまし『アイラ』た……?」
いつもと違う様子に、リボーンと2人でアイリを見つめる
顔を上げたアイリの目は、あの目を、していた
『あのねアイラ、私ね、
――――強く、なりたいの』
「…………ッ…!!!」
――――――まさか
1つの仮説を立てる
理由なんて無いが、――まさか、そうだと、したら。
「アイラ?」
「ッ……!」
白蘭の、望みは。
――――――……
綱吉の最初の修業を終えてきた恭弥に、ある部屋に通してもらう
「…いいの?」
「…そのセリフは俺のだ。…お前こそ、いいのかよ」
「……落ち着いてはいられないけどね。でも、どこかで……期待、してしまっている」
「…………」
「呪いが解けて、…愛吏が現われるんじゃないか…って」
「……どうだろうな」
だが間違いなく――これで何かが変わるだろう。
変えてしまうのがいいのか
変えてしまってはならないのか
「…なぁ恭弥、「らしくないね」…は?」
恭弥は“それ”を俺に持たせる
…それは酷く重い気がした。
「愛羅が慎重になるなんて…らしくない。」
「……なんだそれ」
受け取った物を見つめながら言うと、恭弥はさも可笑しそうに表情を柔らかくする
「君は10年前から何も変わってない筈だけど」
「……だからどういう事だよ」
「どうなるかちゃんと計算してるくせに、行動する時はそんな計算丸投げする性格、かな」
「……おま…それ要は無鉄砲ってことだろ」
「そうだね」
「…………」
「でもその結果を
失敗にさせないのが愛羅だろ」
「…それとこれとは、」
「気にしなくていいよ。愛羅」
「!」
真を突かれて、反応してしまった
「…僕のことは気にしなくていい。もしそれで、愛吏がまた僕から離れても…
……今度は上手く、やり直すさ」
…恭弥は、哀しげに微笑うことが、多くなった。
…10年前なら……
愛吏がどうなろうと、俺が困り、俺が嘆き、俺が世界を捨てるだけだったのだから、俺は俺と愛吏の為に動いていた。
けれど、今、は。
愛吏には―…愛する者も、 愛してくれる者も、いる。
俺のその、無鉄砲な行動で…それが壊れてしまうのが、酷く、怖かった。
…もう、恭弥のあんな様は見たくない。もう、愛吏を苦しませたくない。
その為にどうすれば良いのか―…
…――最善策が、見えない。
「愛羅の思うようにやればいい。
思うようにやって…やった結果がどんなものであろうと、僕はもう、間違えないから。」
「…………」
「……本当はもう、覚悟してるんだろう?」
「…お見通しかよ」
「当たり前。君は僕が唯一認めた、友人だからね」
「、…そりゃ責任重大だな…」
恭弥の横を通り過ぎる。
その間際、恭弥は小さく、俺の肩を叩いた
.