・未来編・
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――――……
アイリを抱っこしたまま、ボンゴレアジトへと急ぐ。…こんなところ、早く出たかった。
腕の中で震えるアイリに掛ける言葉が見つからない代わりに、強く、腕に力を込めた。
アジトに着いて、とりあえずアイリを落ち着かせようと愛羅を捜す
『……つな、よし』
「!」
ずっと黙り切っていたアイリが、小さく俺を呼ぶ
「…アイリ、ごめん…俺がもっと早く行っていれば…!」
『…………つなよしは…私の事、見てくれるんだね』
「………?」
『………最初は…違うひとを見てたけど』
「……あ、………」
最初――…並盛神社の林で逢った時。
あの時、確かに俺はアイリを愛吏だと見た。
けれど違う。
「…アイリは、アイリなんだよね。」
この子はもう、人格だとか、昔の愛吏とかじゃない。
1人の、アイリっていう女の子なんだ。
『………嬉しい。…ありがとう、綱吉』
俺に縋るように強く抱きつくアイリを、同じように抱き締め返した
「……大丈夫。
アイリは俺が、守るから。」
『……うんっ!
じゃあ私も、綱吉を守るね!』
「え、ええっ?!」
『嫌なの?』
「い、嫌じゃない!嫌じゃないけど!…女の子に危険な事は…」
『……!っ…だ、大丈夫!私強いから!』
「いや、そうだけど…『白蘭も、私の力は凄いって言った!』…!」
………白蘭。
そういえば――
「――ねぇ、アイリ。
アイリは……白蘭の事、好き?」
『う?んー…、
うんっ!大好き!』
……だったら、俺らの目的は…
『でも、
同じくらい綱吉も好き!』
「…おっ、俺ぇっ?!」
『白蘭はね、
私を外に出してくれないし、何も教えてくれないし、変態だし、』
「変態?!」
『白ばっかりで気持ち悪いし、』
「(メッチャ嫌がられてんじゃん!)」
『でもね、
私のこと、好きだって言ってくれたの。』
「…好き?」
『…それは私の力が欲しいだけでしょ、って言ったわ。そしたら、』
―――…
「うん、そうだね。
アイリチャンの素敵な力は、僕に必要なんだ」
『じゃあ私なんてただの道具じゃない。』
「違う違う。
仮にアイリチャンがその力を持っていなくても、僕は君が好きだよ」
『…持っていなくても?嘘吐かないで。』
「信用無いなぁ…、ま、詳しくは言えないんだけどね
僕は君に助けられたんだよ。……アイリチャン」
『―――って。…私は、助けた覚えなんて無いけど。
…白蘭は私の傍に居てくれたし、私と遊んでくれた。私と一緒に、ご飯食べて、寝て、たまにお風呂で遊んで、アイラに怒られて…
演技かなって思ってたけど、……なんだか白蘭と居たら、どうでもよくなっちゃったっ』
「………そっか。」
『でもね綱吉
……綱吉達が白蘭を倒すこと…、別に反対しないわ』
「…??!」
『…白蘭のこと、ずっと見てきたもん。白蘭が何か間違ってること、知ってる。
だから綱吉達は、それを直すんでしょう?』
「…アイリっ……まさか、入江正一のことも……?」
『………知ってる。』
「なのに……、此処に…来てくれたの?」
『それが白蘭の為だもの。』
…ただ1つ、訂正する。
ああ、この子は確かに愛吏では、無いけれど。
大切なその人の為に、
その人の敵になれる、
覚悟と、意志。
「……………」
『……?綱吉、どうして笑ってるの?』
「………ううん…ただちょっと、好きな人を思い出しただけだよ」
『……?』
.