・未来編・
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「――――駄目だッッッ!!!」
「!!」
『………!』
「っアイリ!早く!」
『ぅ、うあ…っ……!』
アイリがベッドから這い出て、その広げられた腕の中に飛び込む。
『っう…、
うあああああああん!!!』
「ごめん…怖かったね…、もう、大丈夫だよ…アイリ。」
「………………
沢田、綱吉…………」
「何やってるんですか!?アイリにこんなことしてっ――「煩い…」……!」
愛吏が、沢田綱吉にしがみつく
…やめろ、触るな
「……離れろ」
「…嫌です。…アイリはこのまま、ボンゴレアジトに連れて帰ります」
「ふざけるな」
「ふざけてるのは貴方だ!
一度もこの子を見ていない!ずっと、ずっとずっとこの子に愛吏を重ねて、押し付けてるだけだ!」
「違う…違う、
違う違う違うッ……!その子は愛吏で…っ愛吏じゃない…!愛吏じゃないんだ…!
僕のことを知らない愛吏なんて愛吏じゃ――「それが間違ってるんだ!」」
「……行こう、アイリ」
『…ぅん…っ…』
――閉じた世界に残されたのは
暗い、黒い、闇だけで
「愛吏………
……愛吏っ……」
ああ―――――
…僕は、今、どこで生きているのだろうか。
呼吸の仕方がわからない。
全てが億劫になる感覚。
身を委ねたら、
楽になれるの?
『――――恭弥さん』
「!!」
愛吏の声がして、部屋中を見渡す。けれど当たり前のように、そこには何も無いし
誰も、いない
それでも声は続く。
『――――すみません…。
貴方は、強いから。…強いから、……脆く壊れやすいのに。私の、所為ですね。』
そうだよ…君がいないからだ。
ねえ、だから早く、早く、帰ってきてよ、愛吏……。
目の前に手が差し出される。
見間違えるはずが無い、君の白く柔らかい、温かい、手。
その手に右手を合わせると、辺りが目映ゆく光に包まれた。
光の中で目を凝らすと、後ろ姿で、君が頬笑んでいるのが見えた。…その隣に居るのは、僕で。
「……10年、前の…?」
『―――……
私が、マフィアでも。
貴方の宿敵の、馴染みでも。
この身が、人体実験として穢れていても。
……化け物と謂われる能力者でも。
……貴方は何一つ、気にしませんでしたね。』
「………!!」
『―――興味が無いと、一言だけ言って。
…堪らなく嬉しかった。
ああ…、この人の前では、そんなものにしかならないのだと。……初めてでした……』
「…愛吏………」
手を、伸ばす。縋るように。慰めるように。
僕はいつから違ってしまっていたのだろう。
いつから君を傷つけていたのだろう。
いつから君を、
『―――…恭弥さん。
私は10年前からずっと…変わらずに、どうしようもない程に、
…恭弥さんを、愛してますよ』
「―――…………ッ…!!
ぅ、ぁっ…ああ…!!
あああああああぁぁあ……!!!」
…―――光が、滲む
君はその光の向こうで
変わらないその微笑を、浮かべていてくれた。
いつから君を、信じていなかったのだろう。
君が欠けてしまえば、僕は呼吸の術も失うというのに。
(ああ、やっと優しく触れられた。)
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