・未来編・
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「…そんな、話…っ…!」
「理解してるだろ?お前なら。
ただ信じたくないだけだ。
……やっと見つけたのに、それが自分を見ていないアイリで、嫉妬してるんだよ、お前は。」
愛羅が、雲雀さんを諭す。
…愛羅の言うそれが、あまりにも納得できて、俺達は何も言えなかった。
「…………」
「…あ…ひ、雲雀さ、…」
ふらふらと力が抜けたように覚束ない足で部屋を出ていく雲雀さんに声を掛けようとして、愛羅に制された
「…後はアイツが気付くべきだ」
「っ…………、」
―――でもね、愛羅―……
……雲雀さんの目、
闇の中みたいに、曇ってた―――
「…………知ってる」
「!」
「……だからこそ、今は、駄目だ」
「愛……羅………?」
――――愛羅の考えている事が、
俺には、わからなかった。
+++++
『……アイラ、遅い……』
この基地の中、行けるところは全て行った。
けど、なんだかやっぱりつまらなくて、疲れてしまったまま廊下に座り込んで、思わずそう呟いた
『…まだかなぁ……』
傍らの匣アンドロイドは、何1つ喋らない。…これじゃあ、私1人なのと何も変わらない。
『…………白蘭、怒ってる、かな』
…否、それでも白蘭が悪い。
私はただ、外に、出たかっただけ。……私は、悪くない。そう言い聞かせた。
『…お腹空いちゃった…』
そういえば、アイラのお土産は何だろう。チョコケーキかな。そうだといいな。
ぼんやりと考えながら、瞳を閉じる。……疲れて、お腹が空いて、眠たい。
…アイラが此処に居たら、きっとあの無表情のまま「忙しい人ですね、」と言うだろう。
『…………』
目が覚めたら、そこはどんな世界なのだろう。
もう、真っ白じゃない。少しの黒だけでもない。
そこには赤も、青も、緑も、黄も…何色もの世界が、ある。
顔を綻ばせながら、影が差したのを瞼越しに感じ、目を開ける
その視界は、
『……きょう、や?』
真っ黒だった
+++++
『……きょう、や?』
――――…違う、
愛吏は僕のことを、10年経っても、呼び捨てになんてしてくれない。
『恭弥…どうしたの?』
愛吏は、僕が何も言わないまま抱き締めると、何も言わずに返してくれる。
『……恭弥』
ああ、その声で呼ばないで。
『………くるしいの?』
ああ、その温もりで撫でないで。
「…今の僕は可笑しいんだ。」
そう、可笑しい。
全てが狂ってしまった。
愛吏、君が、いないよ。
『………おかしい、の?』
―――君を否定したいわけじゃ、ないんだ。お願いだ。それだけは、わかってくれるかい?
嗚呼、でもね、それでも肯定できないんだ。
そんな自分が嫌になる。変わってしまった君を受け入れられないのは、僕が子供だから。僕が幼稚な独占欲の塊だからだ。
ねぇ愛吏、君はこんな僕を笑って抱き締めるんだろう?
ねぇアイリ、君はこんな僕を―――――どうするの?
そのマークはどうしたら消える?
どうしたら君は僕を見てくれる?
どうしたら、君は、僕を、
「………
愛して……――――――」
滅茶苦茶になるまでに。
その濁流に呑み込まれるように。
愛してる。
愛していたいから、
君も僕を愛して?
この愛は狂気なまでに純粋で
(10年前の僕は、愛を何としていただろう)
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