・未来編・
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「どこから話せばいいだろうな………ああ……、そうだ。
……ミルフィオーレの、ボンゴレ狩り。それが始まってから、俺達はミルフィオーレのボス、白蘭と交渉を続けていた。一度は戦争を上げたさ。
けどお前…綱吉は、それを決して許さなかった。まあ、わかってたけどな。けどそれじゃ駄目だった。
ボンゴレが交渉を続けているのを利用して、ミルフィオーレは交渉すると見せ掛けて―――…
ボンゴレ10代目を射殺した。」
「…!……しゃ…さつ……」
ああ――やはり自分は、殺されたのか。
夢など見てはいなかったが、それでも、事実をそう伝えられると、行き場の無い感情に押し潰されそうになる。
俯いた俺を見兼ねたのか、愛羅が俺の頭を撫でる
「…大丈夫だ。その未来を変える為に、お前らは来たんだろう?」
「…そう…なのかな」
「そうだ。」
愛羅が言い切る。…それだけで、安心できた。
「…従者として付いていった俺達だって、ただ指加えてお前が撃たれるのを見てたわけじゃない。
あいつらが殺意を向けた時に動いたさ。…けどそこには、最初から俺達を捕まえる為の結界が張られていた。」
「…結界?」
「――その結界は、愛吏の能力を遮った。」
「!」
「―…想定外だった。…おかげでこのザマだ。」
愛羅は自嘲気味に笑う。
「…白蘭は俺と愛吏を捕らえて言った」
―――…
「ねぇ愛羅クン、愛吏チャン。
僕のモノになってよ♪」
「………ざけんな」
『…お断わりしますと言ったら、諦めますか』
「まさか。
まあ、聞いといてなんだけどさ、僕は最初からそのつもりなんだよね」
「……お前は…、
――――何を企んでる?」
「…それは終わった後に教えてあげるよ。」
『「…!!!」』
――――…
「…ここからは愛吏の話だ。
その後、白蘭は俺と愛吏を――――洗脳した。
洗脳して、愛吏に呪いを掛けた。」
「呪い…?」
「愛吏の姿を見ただろ。
あれは愛吏であって、愛吏じゃない。」
「…………どういう…」
「今の愛吏は、確かにこの世界の愛吏だ。
だが、その躰に呪いを掛けられた愛吏は、6歳の愛吏に巻き戻った。体も、記憶もだ。…そして白蘭によって精神を育てられた。
要するに今の愛吏は、本物の愛吏なんかじゃないが、偽物でもない。ただ1つ決定的に違うのが、
今の愛吏は、愛吏の本心のままに生きてるって事だ。」
「……本心…?」
「…そう。元の愛吏とは、決定的に違う。
元の愛吏…“愛吏”は、感情を殺して生きてきた。生まれながらに重いもん背負って、そっから全部、抑えてきた。
けど今の愛吏は違う。
今の愛吏は、“アイリ”として、
嬉しい時は手を挙げて嬉しいと叫ぶし、怒る時は相手を睨み付けて怒る。
哀しい時は全力で泣くし、楽しい時は声を上げて笑う。
…愛吏が愛吏として生きていない、愛吏だ。わかるか?」
「……愛吏であって、愛吏じゃない……」
じゃあ…、
愛吏はどうなるんだろうか。
そんなの、愛吏を否定したようなものじゃないか。
「…言ってしまうと、人為的に生まれ変わったということか?」
「まあ…簡単に言うとな。」
「ええっと…こんな事を言うのは失礼だと思うんですが、どうして愛羅さんは洗脳されてないんでしょうか?」
「…ああ…、お前は知らないか。ジャンニーニ。
人間じゃない俺には、…効かなかったんだよ。その洗脳。」
「!!あ…!そっか…!」
「に、人間じゃない?!愛羅さんがですか?!」
「俺は愛吏が実体を創った、元はこの次元に存在しない存在だ…。実体があるだけの鏡の思念体に、白蘭の力は通じない。10年前の骸みたいに、合わせ鏡で俺を封じ込めない限りな……。
一応、ボンゴレの最高気密として扱われてる俺の正体を、ミルフィオーレは知らなかった。だから、利用したんだよ。
洗脳された振りをして、アイリの傍で、ミルフィオーレの状況を見てた。…もっとも、俺に与えられたのはアイリのお世話役で、ごく一部の人間としか関われなかったけどな。
……さて…
俺の話はここまでだ。」
「…………」
愛羅は脚を組み直し、雲雀さんを見る。
「……恭弥。お前は見誤らないと思ってたけどな。
……勘違いするなよ。
あの子はお前が望む、
月影愛吏じゃない。」
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