・ヴァリアー編・
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―――――……
『んっ………んんー…』
重苦しくて、身を捩る
『………………朝……?』
「……んあ……愛吏…?」
『………兄……さま…?』
目と鼻の先に、兄さまの顔がある。…頭がうまく回らなくて、もぞもぞと起き上がった
『…………?!』
私の部屋に雑魚寝している、凪さんと、犬さんと千種さんとレイとレン。それに
『きょ、恭弥さん…?!』
「あー……昨日あの後お前ぶっ倒れてよー…
こいつら、お前が起きるまでついてるってきかねーから、引きずってきた………ふぁ、ねっみ…」
兄さまは大きく欠伸をしてから伸びをすると、凪さんと、犬さん、千種さん、レイ、レンを掴んで一階に降りていった
「こいつら洗濯してくる」
『そ…それはどういう意味で…』
「そのまんま」
……きっと服だけじゃないんでしょうね…
兄さまの綺麗好きは徹底的だから。(……あれ?凪さんはどうするつもりですか兄さま?!)
苦笑してそれを見送ると、隣で寝ている恭弥さんを見る
『………傷が…こんなに…』
そっと顔の傷に触れる。
ああ……本当に、好きなのだなぁ、と自分を笑いながら。
「何笑ってるの?」
『!?』
その手を捕まれて、ベッドに押し倒された
『おっ…起きてたんですか?!』
「いや、今起きたよ。
愛吏が僕に触れようとした時に…ね?」
『……!』
意地悪く微笑んだ恭弥さんから目を逸らす。
顔を隠してしまおうと枕を取ろうとした手も、捕らえられてしまった。
『うう……』
「…かわいい」
『っ~~~~!』
「愛吏、キスしていい」
『……語尾にクエスチョンマークが付いてません…』
「拒否権は無いからね。」
『じゃあ聞かないでください…』
「言わせたかったんだよ」
『、…何を…ですか……』
「……キスしたい、って」
『っ!!!……いっ
言いません!絶対にっ!』
「ふうん?じゃあもう僕とキスしなくていいんだ?」
『?!』
「いいんだ?」
『う、あ、そ、…れは…っ』
うう、すぐに否定できない自分が恥ずかしいです!
「したいの?したくないの?」
『っぅう~~…!』
あれ?というか今までの流れでしたらこのセリフ私ですよね?!
今日こそは恭弥さんに勝とうと、下になっていた体勢から恭弥さんの体に足を掛け、…恭弥さんの上に私が乗る体勢をとる
「…ワオ。これはこれで絶景だね」
『ううっ!なんだか恭弥さんが変です?!』
「男はみんなこうだよ」
『確実に恭弥さんだけだと思……』
います、と続けようとして、口を閉ざした。
否、閉ざされた。
『!んむぅ…っ……ふぁ、…きょお…やさっ……ふぅ、ん…っ』
微睡むようなキス。
濃厚で、乱暴で、でも、愛しさが募った、そんなキス。
「……愛してる。愛吏」
『……っ……あ…
愛して…ます…恭弥さん…』
「…うん」
どちらともなく、また唇を重ねようと
「オッルァァァァァア!!!」
「『!?』」
2人同時に、びくんっと肩が跳ねる
破られた扉を踏んで入ってきたのは、…きっと誰もが震え上がる程の殺気と、黒いオーラを全身に纏った――――兄さま。
『あ……に…兄さ…ま…』
「……………!!!」
恭弥さんが、冷や汗を流している。
「…………どうか――…
――――した……かな…?」
「『いいえ何でも!』」
恭弥さんがキャラ崩壊とか、仕方ないですよこの兄さまの前では……!!!
軽くトラウマ化するであろう兄さまのこの状態。
恭弥さんと顔を見合わせて、小さく笑った
(彼女)と(貴方)との間に起こりうる、
すべてのことが、きらきら輝いて。
(知らなかった この想い、)
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