・ヴァリアー編・
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「ふー…いやー、まいった…
サンキュ!助かったぜ。」
《ご主人様のお願いだからよ。じゃなきゃここまでしないわ》
解毒されたことを確かめてから、開きかけていた雨の傷口を塞いでいた
「…なぁ、今も愛吏にダメージは、いってんだろ?」
《…そーよ。後は晴と霧だけ。晴はスコーピオンが行ってるから、私は霧のところに行くわ》
「待った!」
《何よ》
「交代だ、こっからは俺が引き受けた。……愛吏に、サンキュって言ってきてくれ。」
《……!、任せなさい!》
そう言った私の顔を見て、雨の奴が笑ってた気がするけど、そんなことはどうでもいい。
《ご主人様…!》
無事でありますように、と必死に願った
―――……
《ほい、完了》
「すまんな…」
《いやいや気にすんな。
今、嵐と雨が霧んとこ行ってる。俺はもう行くぜ》
「ああ、……それと、ルッスーリアも助けてやりたいのだが…」
《……あれ?》
「うむ」
《ッ!(び、びびった…うむって、アイツがよく言うから…!)
わ、わかった!…愛吏様もそーするだろーしなぁ…》
……甘いなんてわかってるんだろう。こいつら、みんな。
それでも自分の決めたものには、逆らえない。逆らいたくない。
逆らったら、それはもう、自分達も堕ちたも同然なんだ。
《…俺は好きだぜ、そーゆーの。》
だってアンタもだろう?ご主人様。
「…お前は月影のところに戻ってやってくれ。俺達も、頼ってばかりじゃならんからな!」
《!…ああ》
――――…
『……ヴィルゴ…スコーピオン………』
2人が戻ってきたということは…
《ご主人様、せめてゆっくり休んでください!》
《死にそーな顔してますよ》
《変な事言うんじゃないわよバカ蠍ぃ!!》
《いてぇっ!?》
『……だいじょぶ…ですよ…ありがとう、ござ…い…ました…』
《《………》》
2人を戻すと、大分軽くなった体を引きずりながら裏庭を移動する。
移動しながら、霞まずに見えるようになった目と、聴力が低下していた耳が段々と正常に機能していった。
『…!』
モニターで見えた、凍り付けにされた………XANXUSさん
ああ……まただ、あの時の、あの光景。
――――……
『お祖父様、XANXUS兄さまー!』
「じーさん、ザンにい!」
クーデターが起きたと知らされたあの日。私達は9代目と、XANXUS兄さまを捜していた。
そしてやっと見つけた時に見たのは、信じられない光景だった
『……XANXUS…兄さま…?』
対峙する、2人。
父と息子が、互いに武器を向けている。
『なに……して……』
「はっ、愛吏!愛羅!よく聞け、この老いぼれはお前らが思う優しい父親なんぞじゃねぇ!」
『どうして…』
どうしてそんなこと、言うんですか……?
涙で何も見えなくなる。俯いちゃ、駄目だ。それだけはしてはならない気がした。
「やめろよ…やめろよじーさんッ!ザンにいに何してんだよ!
ザンにいも!やめろよ!」
「直わかるぞ!愛羅!全てが!このジジィの本性が!!」
『や…やだ……やだ…!』
「わかったらかっ消えろ!!」
「ッやめろぉおおお!!!」
「……すまん、
やはり、わしには…」
『―――――――――ッ!!!』
「ぐわぁぁぁ!!」
知らなかったから、罪が無いなんて、ただの言い訳でしかない。
私は救えなかった。兄を。父を。
そして見過ごしていた。全ての事実を。
今更罪は、償えない。
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