・ヴァリアー編・
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何かを考える暇なんて無いまま、瞬間的に恭弥さんから離れて9代目に駆け寄った
『9代目、9代目、9代目っ…!やだ、やだやだやだやだやだ…っお祖父様…!!!目を開けてくださいお祖父様!!!』
「じーさんッ!!!」
兄さまも駆け寄ってきて、とりあえず応急措置を施すけれど、それでは間に合わない事くらいわかりきっていた。
『ッ天に掲げられし我の使いよ、我の下に現し示せ!ヴィルゴ!』
《はい!ご主人様!!!》
治癒能力を持つ乙女座を喚び、全力でお祖父様の治療に取り掛かる。
けれど、間に合わない。早く早くと急かすのに、追いつかない。
「ちっ、モスカの構造…前に一度だけ見たことがある…
9代目は……ゴーラ・モスカの動力源にされてたみてーだな」
「ッ何でそれを言わなかった?!」
兄さまがリボーンさんに掴み掛かる
『兄さま!』
「っ……!!!」
乱暴にその手を離した兄さまは、自分でもわかっていたのだと思う。けれど、どうしようもない。
「………え……こ…この人…っ
……ど……どうなって………どーして!?」
「どーしてじゃねーだろ!」
「!?」
「てめーが9代目を
手に掛けたんだぞ」
『!XANXUS兄さま……!!!』
―――――わかった。
全てを理解した。
ああ、でも、どうして、
どうしてそんな、
「お……俺が…?」
『!違います綱吉さま!綱吉さまは「誰だ?じじぃを容赦なくぶん殴ったのは。」…やめて…』
「誰だぁ?モスカごとじじぃを真っ二つに焼き切ってたのはよぉ」
『やめてください!』
綱吉さまの耳を塞ぐ。
やめて、掻き乱さないで。この人は何も、悪くない。
「お……俺が…9代目を…」
「――――――……………
違う………」
『!!!お祖父様っ…お祖父様…!』
意識を取り戻したお祖父様の頭を高くし、拘束具を外すと、やっと、少しだけ呼吸をし始めた
「じーさん…」
「ああ……愛羅…愛吏…
…そして、綱吉くん…
そんな顔はしないでくれ……悪いのは……、私だ……」
『っ……!違う…誰も悪くなんて無いんです…………っ!!!』
必死にそう言うけれど、お祖父様にはきっと、こんな言葉は届かないのだろう。
お祖父様は小さく首を振ると、
「すまない…こうなったのは全て私の弱さ故……私の弱さが……
―――――XANXUSを永い眠りから目覚めさせてしまった―――……」
『「!!」』
「!?」
「眠りとはどーいう事だ?
XANXUSは揺りかごの後ファミリーを抜け、ボンゴレの厳重な監視下に置かれたんじゃなかったのか?」
『………』
「ゆりかご……?」
「……8年前に起きた、ボンゴレ史上最大のクーデターだ…
反乱軍の首謀者が、じーさん……9代目の息子XANXUSであるという事実は機密扱いにされたから
知るのは上層部と、この時戦った、ボンゴレの超精鋭だけ…」
―――そう、そして、
私達は見ていたのだ。
―――――あの瞬間を。
「XANXUSは…8年間止まったままだったのだ…あの時のまま、眠り続けていたのだよ。
恐ろしいほどの、怒りと執念を増幅させて……、
……――ッゴホッ!」
「ああっ!」
『―――!』
吐血し始めたお祖父様の体。
この体でモスカの中に居るのが、どれだけ辛かったか――…
「じーさん!しっかりしろ!」
《ご主人様!これ以上力は出せません!出せばご主人様がっ『いいの!!!』…ッ、はい!》
更に力を出してお祖父様を治しにかかるけれど、ギリギリにしか達しない。
「…綱吉くん……
私の息子と娘を、仲間としてくれてありがとう……本当に感謝している…
……いつも…いつも君のことは…リボーンや、愛吏から聞いていたよ…
…好きな女の子のことや…学校のこと…友達のこと………
君はマフィアのボスとしては……あまりにも不釣り合いな心を持った子だ……
君が今まで一度だって喜んで戦っていないことも知っているよ……いつも眉間に皺を寄せ……
祈るように、拳をふるう……
だからこそ私は君を……ボンゴレ10代目に選んだ……」
言い終えて、綱吉さまの額に指を寄せたお祖父様
指に灯された炎は、あたたかくも、けれどゆっくりと小さくなっていく
「すまない……だが、君で………よかった…」
―灯された炎は、ついに消えた。
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