・ヴァリアー編・
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爆弾の時計を見ると、タイマーが忙しなく起動していた。
制限時間は20分程だったのか、残りは後、6分。
複雑に仕掛けられた爆弾は、まるで私を試すかのようだった
『……夜空の守護者には頭脳戦も必要って事ですかね』
思わず、苦笑する
《……主人殿、》
『?どうしました?サジタリウス』
爆弾を調べていると、サジタリウスが罰の悪そうな顔で私の前に立った
《……、否、…何でもありません》
『……過去を黙っていて、悪かった…とか。』
《……うむ…》
『どうして謝るんですか?大丈夫です。――…自分自身で知る事ができて、よかった。』
《……うむ…、そう、ですか…
…だがしかし良かったのですか。あの者達の前で…》
『はい。
全然――…大丈夫ですっ』
解除された爆弾を片手に笑うと、サジタリウスは一瞬呆気に取られたような顔をしてから、唇で弧を描いて笑った
『これで良いんですよね?』
「はっ…はい……」
チェルベッロさんに爆弾を渡し、皆さんの元へ駆け寄る
すると赤外線が解除されてすぐ、恭弥さんが私を抱き締めた
…後ろで兄さまが黒いオーラを出してますけど……
「……お疲れさま」
『…ありがとうございます、恭弥さん。綱吉さまも。』
「う、ううん……頑張ったのは、愛吏だよ。お疲れ。」
ほのぼのした雰囲気に綻ばせていると、チェルベッロさんの声が掛かった
「―――愛吏様が無事、夜空の試練をクリア致しましたので、夜空の守護者は月影愛吏様とします。
それでは引き続き争奪戦を行います。明日はいよいよ争奪戦守護者対決最後のカード。」
顔を見上げ、恭弥さんを見る
「雲の守護者の対決です」
ギラギラと光る肉食動物のような目をした恭弥さんは、モスカを見て今にでも飛び掛かりそうだった
『―…恭弥、さん』
「うん?」
私を見ても、きっとその中にあるのは闘志だけなのだろう。
そしてリボーンさんが、口を開いた
「おいXANXUS。どーするんだ?
次に雲雀が勝てばリングの数の上では4対3となり、
既にお前が大空のリングを手に入れているとはいえ、ツナ達の勝利は決定するぞ。
そん時は約束通り負けを認め、後継者としての全ての権利を放棄するんだろーな。」
『…!』
私と兄さまは、XANXUS兄さまを見つめる。
「あたりめーだ、ボンゴレの精神を尊重し、決闘の約束は守る。
雲の対決でモスカが負けるようなことがあれば、全てをてめーらにくれてやる」
「…それ程モスカが強いってか」
兄さまが吐き出すようにそう言う。
『………』
「…なんて顔してんの。僕が負けるわけ無いでしょ」
『、…ふふ…自信なら恭弥さんも負けてませんね』
「今からでもやれるけど?」
『あ、明日まで我慢してください…』
「…仕方ないね。帰るよ愛吏」
「雲雀」
私の手を掴んで歩き出した恭弥さんの前に、兄さまが立ちはだかる
「何?愛羅」
「昨日は大目に見てやったけど……外泊は許さねーよ?」
よく見ると、兄さまの顔には青筋が幾つか浮かんでいた。
殺気も、恭弥さんに集中して注がれている
「…………」
さすがに恭弥さんも兄さまの気迫には勝てなかったらしく、ゆっくりと手を離した
「よろしい」
「……一番厄介なのは兄か…」
苦々しく呟いた恭弥さん。
よく意味がわからなかったけれど、とりあえず心の中で恭弥さんを応援した
貴方の手に重ねようとした手は、今は抑えて。
(触れたい、なんて兄さまの目が光るこの状況では、無理でした)
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