・ヴァリアー編・
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―――……
【――…】
その人は、無表情だった。
何も考えていないように見えたけれど――…きっとそれは違う。
確かに見える、
私への、憎悪。
『……ッ………!!!』
…怖い、とてつもなく、怖い。
だってこの人は。
―――――この人は。
『っ…夢で見た、ひと……!』
外国人独特の金髪に、碧いブルーサファイアの瞳。
綺麗すぎるその容姿に、より一層恐ろしくなる。
【―――…
“夢で見た人”とは―…随分な言い用だな、愛吏】
『っ!…な、…なん、でっ…』
その人は、徐々に近寄ってくる。
【…なんで?ふん…決まっているだろう、愛吏。
貴様は俺の愛弟子だろうに】
『…?!』
徐々に、
【――いや、愛弟子とは他人行儀過ぎるな。
娘だ、娘。お前は俺の愛娘。そうだったろう、愛吏】
『し…知らない……そんなこと、私はっ…』
徐々に、
【知らない?
此処にきて知らないときたか。
随分だな。】
『ゃ…やめて………もう何も言わないで………っ!!!』
そして私に顔を近付けて、言う。
【俺は貴様に
殺 さ れ た の に 。】
瞳に殺意を、
募らせて。
『ッい――――……
嫌ぁぁぁあああああああああああああああああああああっ!!!』
聞きたくない。知りたくない。
そんな過去、私は知らない。
耳を塞いで、いっぱいいっぱいになって絶叫した。
【逃げるのか】
『いや、やだ、いやだやめて言わないで…っ!』
【いいや何度でも言ってやるぞ?俺はお前に、「愛吏!」】
誰かが遮った、その言葉の続き
次は何を言われるのだろうか。
そんな恐怖のまま、そちらを向いた
「愛吏………愛吏。大丈夫だよ、僕が、居てあげるから。だから君は恐がらなくていい。」
何の根拠も無いはずなのに、それでも力強く言われたその言葉と、その綺麗な瞳に射竦められて、私は一瞬、恐怖を忘れる。
視線をそのすぐ横にずらせば、そこにも、憎悪も殺意も何も、ただ私を見守る目をした方達がいて、
「――――愛吏、
俺達はまだ、愛吏が抱えてるものとか、愛吏が負ってきた痛みとかは、……まだわからない。
…わからないけど、俺達にだって言える事は、ちゃんとあるよ。
―――――愛吏は何も、
悪くない。
愛吏は何も悪いことなんてしてない。もし過去に何かがあったとしても、俺達はそんなことで愛吏を見捨てたり、置いていったりしない!」
【…戯れ言を。】
『!』
【どうしてそんな事が言えると思う?…嘘だからだ。
貴様の力を利用する為に引き止めようとしているだけだ。】
『ぁ………ち…ちが…っ』
【ならば何故だと思う】
『…な…なんで……っ』
「…だって俺達、
――――仲間でしょ?
仲間なら、―…仲間だから。
俺達は愛吏をいつでも信じてるし、いつでも、何があっても…――護ってみせる。」
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