・ヴァリアー編・
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応接室を開けてすぐ、明かりも付けずに、恭弥さんは私をソファにゆっくりと降ろした。
そしてその隣に座って、一言。
「遅い。」
『う"っ』
「君、結構前に日本に帰ってきてたんじゃなかったの。なのに連絡もしないで…僕がどれだけ、」
そこで、恭弥さんが言葉を止める。その後にため息を吐いたけれど、それは私に呆れたため息ではなくて、恭弥さんが自分自身を諫めるため息なのだとわかった。
「……心配したんだ。ずっと…ずっと、世界が真っ暗だった。
跳ね馬に愛吏が無事だと言われて、本当に嬉しかった。
でもそれを、自分の目で、この手で確認できないのが…酷く辛かった。」
『…すみません』
「…いいよ、何か優先しなきゃならないものがあったんでしょ」
『!』
「…連絡より先に、ここに来てくれたから…許してあげるよ」
『きょお…やさんんんー…っ』
その言葉と、優しく撫でられている事に、少しだけ泣きそうになって、恭弥さんに抱きつく。
「…、で、なんだったの?その……
僕より優先しなきゃならないものって。」
『!!!』
………声でわかる。
や、やっぱり恭弥さん怒ってます…!!!
―…覚悟を決めて、全ての経緯を話した
鎖煌によって、水槽に監禁されていた事。…兄さまに助けられて、日本に帰ってこれた事。
夜空の守護者の事。引き受けた、事。
凪さんの事。争奪戦の為に修業を手伝っていた事。その為に、恭弥さんに連絡をするのを我慢していた事。それと、
明日は、私の試練だという事。
「……へぇ…なるほどね」
『す…すみません…』
「謝らなくていい。そもそも悪いのはあいつだしね」
『ゆ、許してくれますか…?』
「許すも何も、僕は君に対しては怒ってないよ。」
『よ、よかった…』
ほぅと胸を撫で下ろすと、息が洩れた。
『…そういえば、恭弥さんはどうしてこんな時間に…?』
「……跳ね馬が、修業は終わりだとか言ってね。並盛に帰ってきたんだけど……なんとなく、並中に行きたくなってね。そうしたら、
愛吏に、逢えた。」
『……きょ、恭弥さん、』
「何?」
『あ…明日、その……見に来てくれます…か?』
恭弥さんは、一瞬考える素振りを見えた後、
「…行くよ。」
『…!』
「まあ群れる気は無いけどね」
『で、ですよねー……』
一刀両断してそう言う恭弥さん。…相変わらずです…。
「…じゃあ、明日の夜までは暇って事だ」
『?そう…です、ね』
「愛吏、
僕の家においで」
『…………。
ッ?!』
「何照れてるの」
『そそそれはッ、駄目です無理です!』
「どうして」
『いやだって私さっきまで晩ご飯作ってましたし、に…におい…とか…』
「ああ、そんなこと?だったら僕の家で入ればいい」
『き、着替えとかありませんし!』
「貸すよ。」
『っ~~~!さ、サイズっ
「君の3サイズくらい知ってる」なんで知ってるんですか?!』
ちょっとした恐ろしさに恭弥さんから後退る
スリーサイズってどうやったらわかるんですか?!
「来るの?来ないの?」
『っ~………拒否権なんて無いのでしょう?』
「愚問だね」
『………ぃ…
行きます…』
渋々という感じで言ったにも関わらず、恭弥さんは機嫌よく口角をあげた
その笑みは反則ですので勝てません。
((それは僕もだ))
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