・ヴァリアー編・
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「で、結局連れ帰ってきたと」
ソファに寝転んだまま、兄さまが呆れたようにそう言う
凪さんは私のベッドで寝かせて、犬さんと千種さんは兄さまの命令によりお風呂へ。
『つ、連れ帰ったって………その表現はどうかと…』
「雲雀が爆発しても知らねぇからな?」
『だっ、…大丈夫ですよ!恭弥さん、なら…、……あ…あれ…』
「…だろ?」
『ど…どうしましょう…トンファー振り回してる様しか浮かびません…!!!』
「…ま俺は関係ねーけどー」
『う"う"っ…』
体勢を変えて、仰向けから横向きになる兄さま。そういえば、
『……結局家、買ったんですか?』
「んあ?あぁ…。
すぐそこのちっせぇ一軒家。3人で暮らすんなら丁度いいだろ。
家具用意すりゃすぐ住める」
『争奪戦が終わってからになりそうですけどね…』
「、そういや明日の対決はなんだよ、雲か?」
『あ、いえ、明日は私です』
「ああ、お前か。」
『はい、頑張りますね!』
「おー。」
ひらひらと兄さまが手を仰ぐ。晩ご飯の支度をしようと立ち上がった時、
「いやおかしいびょん!!!!!!」
『「?」』
お風呂から上がった犬さんと千種さんが、そこに立っていた
「明日は愛吏の試練なんらぞ!?」
『そうですねぇ試練って言われるとなんだかこう仰々しい感じがしますよねぇ』
「そうだなぁなんで適正かどうかの試練なんざお前らの指示でやんなきゃいけねぇんだって話だよなぁ」
兄さまと一緒に遠い目でそう言うと、犬さんが更に大声で叫ぶ
「他みてぇに対決だったら愛吏はつえーからいーけど!試練ってよくわかんねぇし、っ…」
『も…もしかして……し…
心配、して…くれているんですか……?』
「!?あ、当たり前だびょん!いや、愛吏はつえーけど!負けるとかぜってぇありえねーけど!なぁ柿ピー!!!」
「愛吏、頑張って」
「それだけかよ!」
「本人が大丈夫って言ってるんだし…愛吏なら、大丈夫なんだろ?犬」
「そーらけど…なんつーか、やっぱ……あーっ!腹減ったびょん!愛吏!メシ!」
『…ありがとうございます、』
「…スペアリブの甘露煮!」
『はいっ、了解しましたっ!
千種さんは何が食べたいですか?』
「…ハンバーグ」
「…じゃあ俺あいつに聞いてくる」
ソファから降り、凪さんの元へ聞きに行こうとする兄さまに
「あんな奴別に『犬さん?』…いっ…いってくるびょん!」
「…愛吏、お前何キャラなの?」
『へ?』
「「無自覚……!」」
何故か兄さまと千種さんが片手で顔を隠して項垂れる
そういえば、確か恭弥さんはハンバーグが好きだったことを思い出す
『…………』
「…愛吏、クロームの修業も終わったんだし、もういいんじゃないの」
『…、え、?』
「雲雀恭弥に会ってないんだろ?」
『!』
千種さんにまで言われるとは思わなくて、思わず目が泳ぐ
「……まさかお前が言うとはな?」
「ずっと言う気だったよ…気付いてないのは犬くらいだ」
『わ、私…そんなに顔に出てました…?』
「「出てる」」
『…………、』
「よし愛吏、
兄さま命令」
兄さまがどんっと椅子に座り、机に組んだ足を乗せた
「お前今から雲雀んとこ行け」
『………いっ
今から?!ですか?!』
「今からっつったら今からだよ、いいから早よ行け」
慌てるうちに兄さまにぐいぐいと押され、玄関まで行かされる
い、今からはさすがに…!だって心の準備とか服とかいろいろっ、
「雲雀はんな事気にする奴じゃねぇだろが」
『……っ』
そう、です、けど…。
「…逢いたいんだろ」
『…逢いたいです』
「じゃあ行けよ」
『……良いんでしょうか』
「良いんだよ。」
『……じゃあ、』
「ああ。」
『いって、きます』
「ああ。」
兄さまが、私の背中を押す
そのままドアを開けて飛び出した。不意に見えた兄さまと千種さんの顔は、どことなく微笑んでいたように見えました。
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