・ヴァリアー編・
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「骸……」
綱吉さまも同じ映像を見たのか、何かに気付いたかのように骸さんを見る
幻覚化したマーモンさんに呑み込まれ、体から針を表したファンタズマがそれを、深く突き刺した
「ああ!」
「お…おい!」
「骸さん!」
「……!!」
『………大丈夫』
「―――愛吏、大丈夫です。僕を信じてください。
僕も何があっても、貴女を信じていますから。」
そう言ったから。
約束してくれたから。
『――信じてますから。』
「…――――クフフフ」
「……!!バカな!」
「これ以上愛吏に心配を掛けたくありませんからね。」
中からそんな声が聞こえて、蓮の花に囲まれた骸さんが現れる
「――堕ちろ。そして巡れ」
「バカな!あのマーモンが…!」
「勝った…」
「圧倒的だぞ…」
「やったびょん愛吏!」
『はいっ!』
「犬、愛吏から離れなさい」
「うげっ……」
「このリングを1つに合わせるのですね?」
「は…はい…」
「まだだよ!!!」
霧散していたマーモンさんが少しずつ集まり、実体化していく
「ハァ…ハァ……少し遊んでやれば、図に乗りやがって!僕の力はまだまだこんなものでは…!」
「…ご存知ですよね?
幻術を幻術で返されたという事は、知覚のコントロール権を完全に奪われたことを示している。」
ファンタズマがマーモンさんの首に巻き付き、締め付けていく
『む…骸さん、もう…っ』
制止を掛けたけれど、骸さんには届いていないようだった
「さぁ、力とやらを見せてもらいましょうか?
………さあ。」
「ムギャ!」
「クハハハハ!どうですか?アルコバレーノ。
僕の世界は!!!」
『骸さん!』
「ムムム!やめろ!死ぬっ!死ぬ~~~!!」
「君の敗因はただ1つ。僕が相手だったことです」
―――止めることなく、そのままマーモンさんはドンッと音を立てて破裂してしまった
まだ生きているとは思うけれど、…相当なダメージを負ったと思う
「――――…………霧のリングはクローム髑髏のものとなりましたので、この勝負の勝者はクローム髑髏とします」
「あのバイパーが…」
「粉々かよ」
「え…ちょ………っそんな…そ…そこまでしなくても…!」
「この期に及んで敵に情けを掛けるとは…どこまでも甘い男ですね、沢田綱吉」
『…………
…少し…やりすぎです…』
小さく呟くように言ったのを聞き取った骸さんは、苦笑して
「ああ…そうですね、愛吏。すみません。
けれど心配無用ですよ。」
「!?」
「あの赤ん坊は逃げましたよ。
彼は最初から逃走用のエネルギーは使わないつもりだった…抜け目の無いアルコバレーノだ。」
それを聞いたXANXUS兄さまが、モスカに告げる。
「……ゴーラ・モスカ。
争奪戦後、マーモンを消せ」
「まったく君はマフィアの闇そのものですね。XANXUS。
君の考えている恐ろしい企てには僕すら畏怖の念を感じますよ」
『……?』
企て…?
骸さんは、何を…知って…?
「なに、その話に首を突っ込むつもりはありませんよ。僕はいい人間ではありませんからね。
ただ1つ……君より小さく弱い、もう1人の後継者候補を、あまり弄ばない方がいい。」
「!?」
『!』
赤外線が解除されてすぐに、犬さんと千種さんと一緒に、骸さんに駆け寄る。
『骸さんっ!』
「……愛吏」
『、っ!?』
「「「なっ!?」」」
突然ふわりと抱き締められて、思わず体が硬直する
『っむ、むむむむくろさ、っ』
「…愛吏、」
すり、と頬を寄せられて、どうしようかと悩んだ末。
『……よく、頑張りました。』
包まれた腕の中で、なんとか骸さんの頭を撫でる
すると嬉しそうに骸さんが笑うのが横目で見えたので、頭を撫で続けた
「…クフフ…」
「てっ…てんめーどの面下げてきやがった!」
「まったく…少しは空気を読んでください。
まぁ、それくらい警戒した方が良いでしょうねぇ。僕もマフィアなどと馴れ合うつもりはない。」
『!…私、も…「愛吏と愛羅は別です」そ、それでいいんですか?!』
「はい。
僕が霧の守護者になったのは、君の体を乗っ取るのに都合が良いからですよ、沢田綱吉」
…それだけじゃないのに。そう言いたいけれど、骸さんが言わないのだから…言わないでおく。
「なっ、やはりてめーっ!」
「!あっ、ちょっ、待って獄寺くん!
と、とりあえず…
あ…ありがとう…」
「フ……少々……疲れました…、愛吏…すみません……」
『!骸さん!』
「この娘を…、………大丈夫…
僕はいつでも、います………」
それだけ言って、抱き締められたまま骸さんが戻り…寝てしまっている凪さんが現れる。力の入っていないその体を負ぶさると、少しよろけた。
…骸さん…力を使い過ぎたんでしょうか……また、会えなくなるのだろうか。…考えるたび、苦しくなった
「そ、そーだ!この子内臓は?!」
『大丈夫です。骸さんの強力な幻覚で…ちゃんと機能してますから。』
「そ、そっか……よかった…」
胸を撫で下ろした時、今まで背を向けていた後ろ側から、声が発せられた
「勝負は互いに3勝ずつとなりましたので、引き続き争奪戦を行います。
明日は争奪戦守護者の試練―…
夜空の守護者の試練です」
「「「「「!!!」」」」」
『――…わかりました』
「それでは明晩、お待ちしております」
視線を受けながら、ふとXANXUS兄さまを見る…昔とは違う、楽しむような笑みを見せていた
「愛吏………」
『…大丈夫ですよ。皆さん。
…必ず遣り遂げます。』
不安なんて無いけれど、会いたいと思うのは我儘でしょうか。
(なにかがずっと、)
(足りないまま。)
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