・ヴァリアー編・
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「愛吏様、いってきます」
『気を付けてくださいね、…いってらっしゃいですっ』
「うん、」
凪さんが体育館の中央に立つ
「今回の戦闘フィールドは体育館全てで、館内の物は何を使っても構いません。
尚、このフィールドには特殊装置は用意されておりませんので悪しからず」
「え…?何もないの……?」
「霧の守護者の特性にはよけーなもんはいらねーんだ。
無いものを在るものとし、在るものを無いものとすることで敵を惑わし、ファミリーの実体を掴ませない、まやかしの幻影。
それが霧の守護者の使命だからな」
「観覧席は同じ館内の指定スペース内とします。嵐戦と同じように赤外線感知式レーザーが設置されていますので、気を付けてください」
『…なんだか随分手が込んでますね』
やはりこの闘いは、おかしい。
「それでは霧の対戦、マーモンVSクローム髑髏。
勝負開始!」
凪さんの攻撃から始まり、次々に幻覚能力が使われる。
「…よかったよ、ある程度の相手で。これで思う存分、アレを使える。あの間抜けチビ二匹の前でね」
『……』
「ファンタズマ、いこう」
マーモンさんが合図を出すと、ファンタズマの皮膚が割れ、脱皮するように形状が変わる
「あの巻きガエルと藍色のおしゃぶり………生きてやがったのか…コラ!」
「やはりな……奴の正体は、
アルコバレーノ、バイパー」
「んな!?う…浮いてる!あいつもアルコバレーノ?!」
「ああ、奴も最強のアルコバレーノの1人だぜ」
「藍色のおしゃぶりのバイパー。アルコバレーノ1のサイキック能力を持つとも言われている術士だ」
「サイキックって…超能力じゃないスか!?
そんなオカルトな!」
『超能力と幻術は似たようなものなんですよ。知覚を支配する関係ですから…』
「戦いの最中、行方不明になったと聞いていたが、まさか生きていたとはな…
何故今までおしゃぶりが光らなかったんだ?コラ」
「よくわかんねーが、さっきの鎖みてーのでおしゃぶりの機能を封印してたみてーだな」
「バカチビ共にはわからぬ、研究の副産物さ。お前達と違って僕は怠らなかったからね。
呪いを解く努力を」
「……?…何の事……?」
綱吉さまが、首を傾げる
……アルコバレーノの、呪い。
それは、リボーンさん、ヴァリアーでマーモンさんや…本国にいるラルさんから聞いたこと。
勿論、凪さんがマーモンさんと戦うという事は知っていた。
マーモンさんがアルコバレーノだという事も、昔から知っていた。
「やばいぜ、あのバカチビ相手じゃ並の術士じゃ適いっこねーぜコラ!」
「なめんなコロネロ、
何の為に愛吏が髑髏の家庭教師になってたと思ってんだ?」
…―――修業はできていた。完成だった。あとは、
「誰だろうと…負けない!」
凪さんの、意志と、適応。
「確かに君の幻覚は一級品だ。
一瞬でも火柱にリアリティを感じれば焼け焦げてしまう程にね。
故に弱点もまた、幻覚!」
凪さんが出した火柱から逃れ、マーモンさんが幻覚で火柱を凍らせた
『!凪さん!』
「幻術とは人の知覚。即ち五感を司る脳を支配するということ。
術士の能力が高ければ高いほど、支配力は強く、術にかかる確立も高まり、より現実感をもつ。
そして術士にとって幻術を幻術で返されるということは
知覚のコントロール権を完全に奪われた事を示している」
「!」
凪さんの足元から徐々に凍っていき、その速度は増していく
「ああっ」
『っ…!』
「どうだい?忌まわしきアルコバレーノの力は。
さあ、君の正体を暴こうじゃないか」
「……!」
それでも念じようとする凪さんを、マーモンさんは許さず
「もう何を念じても無駄だよ。
君は既に僕の幻覚世界の住人なのだからね」
指をふいと動かした時、下半身を凍らされたままの凪さんが宙を舞い、床に叩きつけられる。
それが、一瞬の隙を生んでしまった
「う……っ」
起き上がり、三叉槍を握り締めた凪さん
『!凪さん駄目です!』
「ムム、どうやらその武器は相当大事な物のようだね」
「『!』」
「ダメ…」
マーモンさんは、止めるはずがなく、
「ダメ――――ッ!!!」
――――パァンッ
――そんな音を立てて、三叉槍が、砕けた
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