魔法使いの約束 SS集
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「ゲルダは、得意な魔法ってありますか?ゲルダにしか使えない魔法とか」
「ええ。ありますよ」
「たとえばどんな?」
「私の得意魔法は記憶関連の魔法と投影ですね。以前賢者様の世界を見せて差し上げたことがあるでしょう?あの時は賢者様が想像した光景をあの部屋に投影させたんです」
「そうだったんですね…。すごいです…」
「そんなことないですよ。私が過去に執着しすぎた結果です。人間、いつしか記憶は薄れ、曖昧になり、忘れてしまうものなのに欲張りな私はできるだけたくさんの記憶を鮮明に覚えていたい。自分の記憶を…思い出を物に投影させて覚えておくために私はこの魔法が得意になったんです」
「思い出を形に…。写真みたいなものでしょうか?」
「前も賢者様もそのようなことをおっしゃっていました。確かカメラというもので紙に映像を投影させるのですよね?そして、それを集めて本にしたものをアルバムというらしいですね。それと似たようなものを私も作ってます」
「なるほど。ゲルダは今よりも昔の方がいいですか?」
「昔も今も大切ですが、昔に戻ってやり直したいと思ったことはありませんね。どんな選択、どんな結果になろうとも、それを経て今があります。今にたどり着くまでに辛く、悲しいことがあっても、結果、私は今の生活に満足していますし、幸せです」
そうしてゲルダはどこからか水晶を取り出す。
「《ルクス・ディールクルム》」
呪文を唱えるとそこには晶とゲルダ今いる光景がそのまま水晶の中に映し出されていた。
「賢者様、貴方のような方に出会えたことも、私にとって、アルバムの1ページを飾るにふさわしい、素敵な出来事ですよ」
そうしてゲルダは大切そうに水晶を抱えて微笑んだ。