魔法使いの約束 SS集
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「ゲルダは自分の家族を覚えていますか?」
「はい。覚えていますよ。今でも鮮明に」
「どんな人だったんですか?」
「私の両親は両方とも魔法使いでして、父は北、母は南の魔法使いでした。父は言葉数が少なくて、常に厳しい人でした。シュガー作りも魔力が枯渇するまで続けて特訓させられましたし、それが終われば攻撃系の魔法ばかり教えられて動物を殺すのも抵抗があって、最初は冷酷で残酷な人なんだと思ってました」
「最初は?」
「母が教えてくれたんです。攻撃系の魔法を最初に教えるのはこの地で生き抜くためなのだと」
「北の国は強い魔物も多いですからね…。でも、他にも方法はあるんじゃないですか?スノウとホワイトみたいな結界とか」
「結界魔法は子供では難しい魔法ですし、防壁などの魔法は魔力が少なかったり、うまくコントロールできないとすぐに割れてしまうんです。なので敵から身を守る、撃退するという意味では攻撃魔法が一番初心者向けなんです。まあ、当てたくないという心でやればいくら放っても威力は弱いですし、当たりませんが心持ち1つ変わればきちんとした防御になります」
「そうなんですね…」
「それに、夜、2人だけになれば微笑みながら私の話をしてくれる。流石俺たちの娘だって口癖のように言っているって…」
「それは嬉しいですね…!」
「はい。それから父の厳しさは優しさなのだと思うようになりました。少し時間が経てば守る魔法も教えてくれましたし、長い間一緒にいるうちに言葉数が少ないのも不器用なだけなのだと分かりましたし、色々分かってくると我が父ながら可愛く見えてきましたね」
そうしてゲルダはふふっ。っと笑う。
「母はそんな父とは真逆の人でした。全てを包み込むひだまりのような微笑みを常に浮かべていて、植物が大好きで、私ともよく遊んでくれました。2人で中庭の花で花冠を作って父にあげたりもしましたね。今思えばあまり似合ってませんでしたけど父は少し困った顔をしながらも何も言わずに被ってくれましたよ」
「暖かい家族ですね」
「はい。2人とももういないですが大好きな自慢の父と母です」
そうしてゲルダは自身の髪飾りにそっと触れた。