魔法使いの約束 SS集
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「氷花ってゲルダが栽培している花なんですよね?」
「はい。そうですよ。世界中で私しか栽培していない花です」
「どんな花なんですか?」
「私の両親が作り出した極寒の北の国でしか育たない魔法の花です。花びらの部分は氷の様に透明でほのかに甘い匂いがします。育てる環境にもよりますが多めに空気が入ると白と透明のマーブル模様の花もできますね」
「本当に氷みたいですね…。花びらって硬いんですか?」
「そうですね。普通の花に比べたら少し硬いと思います。しかし、氷の様なつるんとした感触ではなくきちんと花びらの様な感触とある程度は柔らかさがあります。そして永遠に枯れることがありません」
「枯れることがない…」
「その代わりに甘い匂いだけ残して忽然と姿を消していることはあります。それこそ氷が溶けた様に」
「それじゃあ北の国以外に持ってくることは難しいんですね…」
「そんなことは無いですよ。きちんと魔法で処理をすればその美しい姿を永遠に保つことができます。ただ処理が魔法使いにしかできないことと、他の花に比べるとどこでも生えているものではないので、それなりに値が張ります。なので買うのは貴族の方の観賞用や特別な人や日のために買う人が多いですね」
「特別な日…」
「結婚式などにはよく氷花のブーケをお願いされました。ブーケトスでブーケを受け取った人物が氷花を溶かして飲むんです」
「の、飲むんですか?」
「ええ。ブーケトスは幸せのお裾分け。そうすることで早くその人に素敵な出会いが訪れると言われてますね。農薬なども使ってませんし、溶けた水は身体に害は無いです。自然に水になったものはほのかに花の甘い匂いと砂糖水の様な甘い味がします。60℃以上で故意に熱して溶かされたものは匂い成分が消えます。自然に水になったものは香水の原料として、熱したものは甘めの紅茶を淹れたい時や店で売っているシロップやコンポートなどを作る際の材料として私はよく使いますね」
「色々なことに使えるんですね。今度、氷花で作った香水、嗅いでみたいです」
「ふふっ。もちろんです。とっておきのものを用意しておきますね」