ひとりぼっちでも歩いていける
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「結局、オーエンは見つからずか……」
「見送りもないとはのう。月蝕の館の件も気にかかるが、今は仕切り直すとしよう……」
城から追い出された晶とオーエンとアーサー以外の賢者の魔法使いは空を飛んで魔法舎に戻ろうとしていた。
「このまま帰るのか? 本当に?」
シノは少し不服そうに晶に問いかける。
「シノ……」
「墓地の墓荒らしの件は?さっき聞いた月蝕の館の儀式と、関係があるはずだ。叙任式だって、すると言ったのに。アーサーに交渉しよう。あいつなら取り合ってくれる」
シノの言葉の節々には戸惑いと疑問、そして少しの焦りが滲んでいた。
「これ以上、アーサー殿下を複雑な立場にしてやるな。アーサー殿下が一番お辛いんだ」
「誰が一番つらいなんて、なんでおまえにわかる」
「一番は言いすぎかもしれないが……」
彼の言葉がもっともだったのかカインは少し黙りこくってしまった。
「おまえは騎士だからいい。オレは何者でもない。オレは手柄を立てるはずだったんだ」
「シノ……」
「俺も何者でもないよ。騎士団団長だったのは昔のことだ。魔法使いだとわかって剥奪された」
カインはフッと笑うと優しく答えた。
「あの……」
「どうしたんですか、リケ」
次に言葉を発したのはリケだった。
「……。僕はやっぱり、教団に戻ります」
「え!?」
「何を言い出すんだ。まともな食事もさせない所に帰って、おまえになんの得がある」
ミチルとネロはその言葉に驚きの声を上げ、リケを置かれていた劣悪な環境に戻さまいと引き留めようとしていた。
「教団の人たちが気になりますし……。……それに……お城の人たちに迷惑をかける、賢者の魔法使いが、素晴らしいものだとは思えません……」
「それは、北の魔法使いが悪いんですよ!」
「おっと。言いましたね」
「なんだと、このクソガキ」
ミチルの物言いに、好戦的なミスラとブラッドリーが黙っているはずもなかった。
「本当のことじゃないですか!おまえたちが悪いことをしなければ、魔法使いは嫌われることはなかった!迷惑がられたりしないで済むんです!」
「意味がわからないですけど。嫌う人には、嫌わせておけばいいじゃないですか。気に入らなければ、蹴散らせばいい。それだけの力を持てばいい」
ミスラの言葉は力のある北の魔法使いらしい言葉だった。
「そういう考えだから、魔法使いは嫌われるんでしょう!?」
「構わないじゃないですか。何故、好かれたいんです?何故、ひとりでいることに怯えるんです?死ぬわけでもないのに」
「……大事な人が傷つくところを見たくないからです!」
「…………」
ミチルの言葉にミスラは何か考えるように黙った。
「ボク自身だって、傷つけられたくない!仲良くしてれば、オーエンがいい人だったら、お城の人たちだって話を聞いてくれたはずです!兄様が暴力をふるわれた時、強い力を持っていたら、ボクだって、あいつらを蹴散らしたかった。だけど、そうしたら、もっと大勢の人間が集まってくるだけです。結局、争いになって、誰かが傷つくだけでしょう?」