月食の館
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「クックロビン、無事だったか……!一体、何があったのだ!?」
「月蝕の館に閉じ込められていたんです。ですが、魔法使いたちのおかげで、無事に救出することが出来ました!」
「そうだったのですか……。まったく無茶をしおって……。えー、ごほん……。賢者様、この度は不肖の部下がご迷惑を……」
「いいえ。クックロビンさんのおかげで、大変なことがあきらかになったんです」
「大変なことと言いますと……」
「<大いなる厄災>を召喚しようとしたとんでもない奴らがいるんですよ!」
「な、なんじゃと!?」
「骨がいっぱいあって、変な魔法陣があって、おまけにそこに、我が国の魔法科学兵団の駆動装置があったんです!」
「魔法科学兵団の!?一体どういうことだ!?」
帰ってきた途端、晶とクックロビンの口から重大な新事実が次々と飛び出し、ドラモンドは目を回していた。
「私たちも真相が知りたいんです。月食の館の儀式に、魔法科学兵団の誰が、どんな風に関わっていたのかを。その人物のせいで、私たちが10人の仲間を失い、世界各地が大災害に見舞われたんだとしたら。その人物こそが、人間と、魔法使いの、共通の敵です」
「たしかに、おまえの言うとおりだ……。ここは我々魔法管理省と、賢者の魔法使いたちが協力し合うべきかもしれん……」
シャイロックの言葉と硬い表情にドラモンドも表情を引き締めて頷いた。
「おわかりいただけたようですね。それで、あの偉そうな音はどこにいますか?魔法科学兵団団長の……」
「ニコラスなら……」
「きゃあああ……っ」
ニコラスの居場所をドラモンドが話そうとしたその時、悲鳴が響き渡った。
窓に飛びついたクロエが、お城のバルコニーの1つを指差して叫ぶ。
「見て、あそこ!」
「あれは魔法科学兵団長の……!?」
「ニコラスどの……!」
「…………!」
窓の外を見て、晶は言葉を失った。
そこには魔法科学兵団隊長のニコラスが、お城のバルコニーから、身を乗り出している。
何も身につけず、バルコニーの上にふらふらと立ち上がる。
「ニコラスどの!なにをしてらっしゃるのですか!?」
ドラモンドの言葉にも答えず、ニコラスはそのまま、ゆっくりと、重心を前に倒していった。
「危ない……!」
叫びながら、箒を取り出して、クロエが窓から飛び立っていく。
しかし、制止は間に合わず、ニコラスは、バルコニーから身を投げた。
「きゃあああ……っ!」
「ニコラス様……!」
「ああ……っ!」
クロエの手が届かずに、ニコラスが地上に落下していく。
勢いよく、ニコラスの体が、地面に叩きつけられる。
誰もがそう思った瞬間、地上から、澄み渡った声が響いた。