ドラモンドからの依頼
まほやく夢小説設定
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「《スイスビシーボ・ヴォイティンゴーク》!」
「…………!」
水玉模様の布は一瞬で、レインコートのようになって、晶の体にぴたっとはりついた。
だけど、光る鱗粉に触れると、一瞬で水玉模様のレインコートは青い炎を上げて、燃えくずになってしまう。
その間にゲルダが口元に手を寄せ、ふーっと静かに息を吹きかければ小さな息のはずだが、たちまち粉が消し飛んでいった。
「い、今のは?」
「一瞬だけのお守り。怪我しなかっただろ?」
「は、はい。ありがとうございます」
晶のお礼の言葉にクロエはにっこりと笑った。
パイプをくわえながら、シャイロックが目を眇 めて闇を睨む。
「子供騙しのようなことは止めて、出てらっしゃい」
「出てらっしゃいって……。誰かいるってことですか?」
シャイロックの言葉に晶はキョロキョロと辺りを見回す。
だが、いくら見ても人の姿は確認できない。
「ええ。それも人を試すことを好むような、性格の悪そうな魔法使いが……」
「ひどい言われようだ」
「…………!」
暗闇から響いてくる声に、晶たちははっと顔を上げた。
その声には晶にはどこか、聞き覚えがあるように思えた。
闇がゆらめいて、人の形を作る。
シャイロックとゲルダが息を呑んだ。
「「……まさか……」」
「久しぶりの再会だっていうのに、辛辣に罵るなんて。そういうところが嫌いではないけどね」
ゆっくりと、気配が近づく。
人の形をした闇の輪郭が、帽子を手にとって、紳士的なお辞儀をした。
「えっ……」
「あれ?」
「え?」
クロエ、ラスティカ、そしてムルが困惑の声を漏らす。
無理もないそこにいたのは……もうひとりのムルだった。
「ようこそ、月蝕の館へ」
にこりと微笑みながら、もうひとりのムルが指を鳴らす。
直後ー
「《ルクス・ディールクルム》!」
ゲルダの呪文が響くのを聞きながら晶たちは果てしない銀河の渦に飲み込まれていった。