ドラモンドからの依頼
まほやく夢小説設定
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「なんだろ、あの蝶……」
「風変わりだが、美しい……」
ひらひらと舞う不思議な蝶は晶たちの方にやってきたと思えば、そっと、ラスティカの肩に止まる。
その瞬間、蝶は巨大化して、馬車ほどの大きさに膨れ上がった。
ストローのような長い管を、にょろにょろと動かして、ラスティカに襲いかかる。
「ラスティカ……!」
「《アモレスト・ヴィエッセ》」
ラスティカはとっさに、いつも持ち歩いている鳥籠を翳した。
巨大な蝶はみるみる小さくなって、鳥籠の中に吸い込まれていく。
「ああ。驚いた……」
「大丈夫、ラスティカ!?」
「大丈夫だよ。でも、蝶の顔ってよく見ると怖いんだね。今夜は夢に出てきそうだよ」
「もう、ラスティカはのんきだなあ」
ラスティカの無事に晶はほっと息をつく。
しかし、きらきらと舞い続けている、蝶の鱗粉に気がついて晶は眉を寄せる。
蝶はいなくなったはずなのに、きらきら光る鱗粉の量は、むせ返るほど、どんどん増えていった。
そして、6人はいつの間にか不思議な粉に囲まれていた。
「動かないでください」
真剣なシャイロックの言葉に頷いて、晶は緊張しながら、息を潜めた。
シャイロックがパイプをくわえて、ゆっくり、白い煙を吐く。
煙を浴びた光る鱗粉たちは、突然、くるくる回り始めて、ミラーボールのように光を放った。
光を放ちながら集まって、巨大な顔のようなものになっていく。
その顔は晶を覗き込んで、耳元で笑った。
「けらけらけら!!」
「…………!」
意味のわからないことの連続に、晶はめまいを起こしそうだった。
「しぃ……」
ゲルダに人差し指を立てられて、晶は漏れ出しそうな声を塞ぐように、口元を抑える。
その合間にシャイロックは再度ゆるゆると、長く煙を吐き出した。
その時……
「わあ!!」
「ぎゃあっ!!」
ムルに脅かされて、晶は思い切り、悲鳴を上げた。
「けらけらけら!!」
笑う鱗粉たちが、目を向いて、晶の頭上に迫ってくる。
あんぐりと開いた、大きな口に、飲み込まれそうになった時……。
水玉模様の大きな布が、守るように、晶を包み込んだ。