グランヴェル城でのパーティ
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パレード終了後、魔法使い達と晶は正装から各々いつもの服装に着替えを終え、パーティのあるグランヴェル城へやってきた。
かなりの時間が経っており、パレードが始まった時は青空だった空はすっかり夕焼けに染められていた。
「みなさん、お疲れ様でした!いやー、盛況でしたね!石でも投げられるかなと心配していたので、熱心な歓迎に私もほっとしました!」
「正直な奴」
「えへへ。パーティ会場はあちらです!みなさん、どうぞ楽しんできてください!」
クックロビンはシノの言葉に初めて会った時にはまるで見せなかった明るい表情で言葉を返し、まだやることがあるのかさっさと去っていく。
クックロビンの言葉に、魔法使いは各々パーティ会場に向かう。
さっさと会場へ向かう者、滅多に入ることのない城の中を眺めながら歩く者、と行動も様々だ。
ゲルダはチラリと窓の外を見る。
綺麗な赤はもうすぐ夜がやってくる知らせでもあったが、空はまだ紺碧に染まり始めてはいない。
まだ夜になるにはもう少しかかりそうだ。
(この分だったらパーティは夜前には始まるかしら…)
夜になったら現れるゲルダの<大いなる厄災>からつけられた傷。
それを少し鬱陶しく思いながら、ゲルダはパーティ会場へと足を進めた。
会場に入れば、そこは既に多くの人がいた。
会場の中央には大きなシャンデリアが煌めき、様々な料理やお菓子が綺麗に盛り付けられ、テーブルに並ぶ。
ワインにシャンパン、ジュースなど飲み物も様々なものが取り揃えられてた。
魔法使いたちが会場について少しして、ドラモンドが挨拶を始める。
「……えー、以上を持ちまして、<大いなる厄災>と戦う使命を背負った勇者たち、賢者様と魔法舎の魔法使いたちへ、私、魔法管理大臣からのはなむけの言葉とさせて頂きます!みなさま、盛大な拍手を!」
ドラモンドの言葉に魔法使いたちを讃える割れんばかりの拍手が会場に鳴り響いた。
「わあ、すごい……。着飾った人たちがいっぱい。きれいなお菓子がいっぱいだ……」
クロエはキラキラと輝いた目で会場を覗いていた。
「そんなに隅っこから覗いていないで、こっちにおいで、クロエ」
「でもさ、でもさ、本当に怒られない?俺たち魔法使いなんだよ。前にどこかのお祭りに行った時だって……」
昔嫌なことがあったのかクロエの表情には戸惑いに恐怖、そしてかすかな希望が見えていた。
「魔法使いが主役のパーティだよ」
「アーサー王子さま……」
「アーサーでいい。クロエ。素敵なローブを作ってくれてありがとう。今夜は存分に楽しんでいってくれ」
アーサーの言葉にクロエの表情はパァッと明るくなっていく。
「……っ、ありがとう、アーサー……!……ああ、夢みたいだ……。ラスティカ、あっちを見に行こう!あ!あっちの方も!」
クロエは元気にはしゃぎながらラスティカに声をかける。
「あはは!いいよ。お礼申し上げます。アーサー王子」
「こちらこそ」
「早く、早く!」
「待って。引っ張らないでくれ」
興奮しているクロエに腕を引かれ、ラスティカは笑いながらされるがまま、彼についていった。
「はは……。みなも遠慮なく楽しんでいってくれ。魔法使いは人と、人は魔法使いと、ゆっくりお喋りするといい。今夜は人と魔法使いの記念すべき合コンの……」
「あ、アーサー!合コンはこの場ではちょっと……!」
晶は焦ったようにアーサーに声をかければアーサーはキョトンとしながらも仕切り直した。
「そうか?記念すべき、出会いを祝う宴なのだから。それでは、乾杯!」
アーサーの乾杯の音頭にみなは手に持っていたグラスを掲げた。