箒に乗ってパレードへ
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「ゲルダは西の魔法使いなのに中央の国に知り合いが多いんですね」
「職業柄、色々なところに行って色々な人と話しますからね。中央の国からは毎年お祭りの花飾りを頼まれるのでそのせいかと。まあ、他にも様々な催事に呼ばれたりしますが…」
「そのお祭りって、さっき言っていた花祭りですか?」
「ええ。中央の東側にある町で毎年行っているんです。そこまで遠くないですし、機会があったら行ってみましょうか?」
「はい!ぜひ!」
ゲルダと晶が話していると無邪気な子供の声が耳に入り、2人はそちらに視線を移す。
「ねえねえ、魔法使いさん!魔法を見せて!」
「いいよ!」
その声にムルが立ち上がって、手の甲を翳す。
彼が呪文を口にすると、左手にある指輪が、七色の光を集めた。
「《エアニュー・ランブル》!」
指輪に集まった光が弾けて、青い空へと、高く飛び散っていく。
それは大空の下、花火のように広がった。
瓦礫の街に住む人達が、笑顔を浮かべて、眩しい空を見上げる。
「わああ……っ!」
「すごい……。これが魔法の奇跡……!」
「これなら、きっと、<大いなる厄災>からも守ってくださるわ!」
大きな歓声が上がって、人々の顔が、笑顔に包まれていく。
しかし、ゲルダの目には顔を歪め、不満そうな声を漏らす人々もちらほらと写った。
「……何が魔法使いだ……。肝心の北の魔法使いがいないじゃないか」
「きっと、身勝手なあいつらが、<大いなる厄災>との戦いでも手を抜いたからこうなったんだ……」
「来年はきっと、この世の終わりだ……」
やはり、北の魔法使い、それにオズがいないということが気にかかっている人、それに不満を抱くものも少なくないようだ。
スノウとホワイトはあの容姿で凶暴で強力な北の魔法使いにはあまり見えない。
ゲルダもフィガロも北出身ではあるが、2人が北から各国に移住したのはもう何百年も前の話であって人間が知るはずもないことである。
(顔を見せることが1番なんでしょうけど素直に来る人たちではないし…。力でねじ伏せてもいいけどオーエン、ブラッドリーはともかく、ミスラの相手は…。あまり歓迎はしないわね…)
魔力では少し劣る程のミスラとの戦闘はゲルダでも手を焼く。
ミスラも戦いにくそうにしているが、ゲルダは顔には出ないだけであり、ゲルダ自身も毎回かなりギリギリである。
更に言えばゲルダ自身、あまり戦いは好きではない。
できれば穏便に済ませたい…が、そんなことを言っていられる相手でもないことはゲルダ自身重々承知している。
どうしたものか、とゲルダは内心ため息を吐いた。