箒に乗ってパレードへ
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「まあ、すごい!」
「へぇ、洒落てますね」
「ええ、素敵ね」
「格好いい」
「お揃いじゃ!」
「お揃いじゃ!」
「「お揃いは大好きじゃ!」」
クロエが用意した衣装は魔法使いたちに好評なようで、各々が歓喜の言葉を口にする。
「これを着てパレードをするのはどう!?」
「いいんじゃないか?制服があると気持ちも引き締まるしな」
「学校みたいだな」
「このくらいのお愛想なら、つきあってくれてもいいだろ?」
フィガロはチラリとファウストを見やる。
「愛想では着ない。気に入った」
ファウストは薄く微笑みながら言った。
「ありがとう。クロエ」
「クロエ。みんな、喜んでくれて良かったね」
「えへへ……。うん!」
レノックスの感謝の言葉、そしてラスティカの言葉に、クロエは嬉しそうに、照れ臭そうに、頬を赤く染めて頷いた。
「あ!見て!アーサーがこっちに飛んでくる!」
ムルの声にみなが前を向けば、そこには箒でこちらに向かって来るアーサーがいた。
「アーサー様!お待ちくださいと言ったのに……!」
「お迎えにあがりました!ご無事で何よりです、賢者様。パレードの馬車はあちらに用意してあります」
アーサーが示す方には煌びやかな装飾がされた大きな馬車が置いてある。
いつの間にかパレードの入り口についていたようだ。
豪華な馬車を見たクロエは目を輝かせた。
「あんな豪華な馬車、初めて!すごいなあ!すごいなあ!」
「楽しいパレードになりそうだ。行きましょう、賢者様」
「はい!」
彼らはゆっくりと馬車に向かって降下していった。
地上に着くと、各々クロエから貰った正装に着替え、馬車に乗り込む。
魔法使いの中で1人女性のゲルダは皆から離れた場所で着替えを終え、近くにあった水面に鏡のように自身の姿を映し出す。
白と金で纏められた軍服ワンピースのような服に、首元にはいつもの黒のリボンの代わりに赤い宝石のブローチが煌めく。
スカートの部分はオーバースカートになっているのか中央で分かれており、その下からは下の方にフリルがついたシンプルな赤のフリルスカートが見える。
丈はいつもより5cmは短く、代わりにいつもむき出しにしてる足は黒のタイツに覆われている。
風が吹くたびに膝丈より少し下くらいまである長いマントが風に揺れ、足元はいつもの黒とは真反対の白のショートブーツ。
今回の服装には合わないと判断した髪飾りはいつもの場所には無く、解いた金の髪が風に靡いている。
自身の姿に満足してゲルダは馬車に戻り、素早く乗り込む。
そして間も無くして馬車は動き出した。
きびきびと歩く、中央の国の兵隊。
軽快で不思議な音楽を奏でる、音楽隊。
彼らに先導されて、パレードは始まった。
街中の人たちが大通りに集まって、窓から身を乗り出して、魔法使いたちに笑顔で手を振っていた。
「賢者様と魔法使いだ!」
「<大いなる厄災>を撃退した魔法舎の魔法使いたちだ!」
「彼らがいれば、<大いなる厄災>なんて怖くないぞ!」
「ありがとう!魔法使いさんたち……!」
「魔法舎の魔法使いに幸あれ!」
カラフルな紙吹雪や、色とりどりの花びらが青空に舞う。
「アーサー王子様!アーサー王子様、万歳!」
「ほら!見てごらん!あそこにいるのが私たちの王子様だよ!厄災が来た日も助けてくださったんだ!」
「ありがとう、みんな」
中央の国の王子であるアーサーはもちろん、他の魔法使いたちにも声援が送られていた。
それは各国に顔の広いゲルダも例外では無くて…
「美しい…。私もあんな綺麗な女になりたいわ…」
「はぁ、ゲルダ様、今年もお美しい…」
彼女に見惚れる声もあれば…
「ゲルダ様!今年もお役目ご苦労様です!」
「ゲルダ様!今年もお守りいただきありがとうございます!」
「ゲルダ様!今年の花祭りもよろしくお願いします!」
「ゲルダ様、新しい服も素敵です!」
カインへの声援のように大きな声で言葉を送っているものもいた。
「ふふっ。ありがとうございます。今年もお任せください」
ゲルダもそんな人たちに優しく微笑みながら控えめに手を振っていた。