仕事とワイン
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クラッチブーケが完成してから数時間後。
時刻は既に昼を回っていた。
ゲルダはあれからアレンジメントをいくつか作り終えると、ブーケと一緒にサイズを小さくし、崩れないように透明なケースに入れる。
そして、いくつかの香水と共にカゴの中にそっと入れると部屋を出た。
「あれ?ゲルダちゃん?」
「どこにいくのじゃ?」
ちょうど階段を降りきったところでゲルダはスノウとホワイトに声をかけられる。
「あ、スノウ様、ホワイト様。注文されたものを届けに行くんですよ」
「毎年思うことじゃが、仕事熱心じゃな」
ゲルダの答えにスノウは感心したように言った。
「これからしばらく王都に行かなくてはなりませんからね。それに私の仕事は氷花に関しては替えが効きませんし」
「そうじゃな。ジャックとクロリスもあの花を作った当初はこうなるとは思っておらんかったじゃろう」
「自分たちの作った花が結婚式を代表する花になるとはのう」
スノウとホワイトの言葉に既にこの世にはいない父と母を思い出しているのかゲルダは懐かしむような、優しい眼差しになり、口元には自然と弧を描いた。
「でも、母はこのことを聞いたら喜びそうです」
「そうじゃな。他人の祝福を代表する花になるなんてクロリスなら喜びそうなことじゃ」
ゲルダの言葉にホワイトは頷きながら言った。
「そういえばゲルダちゃんはまだ何も食べておらんじゃろ?」
「ええ。部屋に篭りきりだったので」
スノウのいきなりの方向転換にもゲルダはサラッと答えた。
「流石に何か腹に入れた方が良かろう。キッチンにネロがおったから何か頼んでみたらどうじゃ?」
「あやつなら急に頼んでも何か作ってくれそうじゃ」
そうスノウとホワイトに言われるとゲルダは先程までは意識していなかったためか感じなかった空腹感を感じた。
ゲルダが思い返してみれば昨日はバタバタしていて食べた夜ご飯といえばシャイロックと摘んだドライフルーツくらいだった。
(道理でお腹が空くはずね…)
「…そうですね。少し頼んでみます。では」
夜になればまた触覚が無くなる。
朝と昼の時間の方が色々なことを感じられる分やりたいことが沢山あって困ったものだとゲルダは心の中で苦笑いをしながらゲルダはキッチンに向かっていった。