魔法使いと合コン
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「北の魔法使いの方は、お忙しいのですか……?」
「お忙しいような……」
「お忙しくないような……」
「……北の魔法使いが、みんなと一緒に行動するわけない……。あいつらが悪さをするせいで、ボクたち魔法使いが嫌われるんです。賢者様も、そう思いますよね?」
ミチルは少し怒ったような口調で晶に問いかける。
すると晶は困ったように、慌てたように視線を彷徨わせた。
「誰が悪い……とかではなく、みんなで出来ることを頑張っていく、っていうのはどうでしょうか?さっきも話に出ましたけど、みんなでここで暮らすという案……。個人的な話で恐縮ですけど、私は嬉しいです。私はどこにも行くところがないので……。たくさんの信用できる人と、一緒にいられるのは、安心できます」
「信用……?俺たちが?」
晶の言葉にネロは訝しげに眉を寄せる。
「はい……」
「どうして俺たちが信用できるんだ?」
「いや……。みなさん、言いたいこと言うので……。嘘がなさそうな感じがして……」
「…………」
晶の言葉が図星なのかネロは答えを聞いて黙ってしまった。
「北の魔法使いの、なんていうか、怖そうな人たちとも、そのうち、うまくやれればいいなとは……。目玉を取るとか、精神が崩壊するとか、けだもので殺されるとかは……。……その、怖いですけど……」
「北の魔法使いを従えるなら、やはり、オズの協力が必要だ」
「そうね。オズは強いし、馴れ合いは嫌いだけれどあの3人と違って好戦的な人じゃないし…」
「ゲルダの言う通りだ。最強の魔法使いであるオズに、俺たちを束ねてもらえば、北の奴らも従うし、民も安心する。アーサー殿下もそう思うでしょう?」
そうしてカインはアーサーを見やった。
「そうだな……。オズ様にはご負担をかけてしまうかもしれないが……。あの方がいれば、みなも心強いだろう」
「俺も同感だな。新参者の意見だが、今までの〈大いなる厄災〉と、今回襲来した〈大いなる厄災〉とは違う。10人の魔法使いが石になるくらい、〈大いなる厄災〉が力をましていたのなら、1年後の〈大いなる厄災〉はもっと強力かもしれない。北はもちろん、中央、西、東、南の魔法使いたちが力を合わせて挑んだ方がいい」
「フィガロ様のおっしゃるとおりです。賢者様……」
「はい」
アーサーに呼びかけられて晶は返事をする。
「この後、賢者様と魔法使いたちには凱旋パレードと、パーティー、そして、叙任式を行って頂きたいと思っています。その時に、我ら賢者の魔法使いが22人揃って城に集まることが出来れば、厄災にみまわれた民も安心するでしょう。人々が脅威に感じている、北の魔法使いたちも、賢者様に従う姿を見せることで……。今夜のように魔法使いを恐れて、無用な騒ぎを起こすようなこともなくなるかと思います。そのために、オズ様を説得したいと思いますが……。賢者様はいかがですか?」
アーサーの提案に晶は納得したように頷いた。
「そうですね……。私は一度会っただけですけど、オズは頼れる印象でした。彼が味方になってくれたら、とても心強いと思います。でも……」
「でも?」
晶は何か気になることでもあるのか口を噤んだ。