魔法使いと合コン
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「……東の魔法使いだって、性格が悪くて、口が悪いです」
「こら、ミチル!」
お返しとばかりに不満気に言い返したミチルをルチルが嗜める。
「は?」
「は?」
「は?」
「は?」
ミチルの言葉に東の魔法使いたちは眉間に皺を寄せ、怒りを顕にした。
「東の魔法使いだとか、北の魔法使いみたいな奴らがいるから、魔法使い全員が嫌われるんですよ!今日だって、中央の国の王様の兵隊さんとケンカしてたじゃないですか!」
元、北の魔法使いとしてあの3人と一括りにされるのは心外だったがそんなことで怒るゲルダでは無かった。
北の魔法使いが残酷で強いが故に恐れられているのは事実なのだから。
しかし、今回の件に関して落ち度は人間である向こうにある。
こちらは静かに過ごしていただけ。
向こうが押し入ってきたのだから。
「なら、南の魔法使いは無抵抗で焼かれるというんだな。そういう教育をしているわけだ、フィガロ」
「それは誤解だよ、ファウスト」
「先生!魔法使いと人間は、助け合っていったほうがいいってフィガロ先生はおっしゃいました!」
「言ったね。たしかに言った」
コロコロ変わる意見にゲルダは相変わらずだな…と思いながら呆れた目でフィガロを見つめる。
「いい加減な男……。おまえは昔から変わらないな」
「待ってくれよ、ファウスト……」
「お知り合いなのですか?」
「知り合いっていうか、どうだろうね?」
フィガロはルチルの言葉をサラリと受け流した。
「……俺は多分、知り合いだと思います」
ずっと沈黙していた、レノックスが、表情を変えずに言った。
ファウストを見つめたまま、席を立ち上がる。
椅子の足がテーブルクロスを踏んで、お皿が落ちそうになっても、レノックスは気に留めなかった。
「建国の英雄ファウスト様。あなたの下で戦っていた魔法使いのレノックスです。あなたを探していました」
(その話を蒸し返しますか…)
レノックスの言葉にそんなことを思いながらゲルダは落ちた皿を魔法で止めようとするがそれよりも早くルチルとミチルが動いた。
「そうなんですか!?」
「そうだったんですか!?」
兄弟が同時に驚きながら、床に落ちかけた、お皿をつま先で受け止める。
かちゃんという音か兄弟の声で我に返ったのか、レノックスが振り返った。
「……拾ってくれてありがとう。そんなに驚かなくても」
「だって、昨日まで、普通の羊飼いだと思ってたのに歴戦の戦士だなんて言われて……」
「人探しまでされていただなんて……。水臭いじゃないですか。お話してくださればいいのに」
ゲルダがファウストの方を見てみれば、思った通り、一瞬で不機嫌になっていた。
「……人違いだ」
「ファウスト様……」
食い下がろうとしたレノックスが何かいう前に双子がため息をつく。
「やれやれ、因縁の多い面子じゃ」
「今年の〈大いなる厄災〉も、ややこしいことになりそうじゃのう」
「…………」
「…………」
レノックスとファウスト。
「…………」
「…………」
そして、ヒースクリフとシノ。
4人は目を伏せて沈黙した。
「最後に、北の魔法使いを紹介するとしよう。北の魔法使いスノウ」
「北の魔法使いホワイト。我らはふたりでひとりじゃ」
「残りの3名を紹介する」
「ブラッドリー。不在」
「オーエン。不在」
「ミスラ。不在。以上じゃ」