魔法使いと合コン
まほやく夢小説設定
本棚全体の夢小説設定魔法使いの約束以外の夢小説は一括で変更可能です。
魔法使いの約束は魔法使いの約束の名前変換場所からどうぞ。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
長い沈黙の後、ようやく、双子が頷く。
「そうじゃ……」
「親切な南の魔法使いたちは、みな、率先して仲間を庇ってのう……」
「……やっぱり……」
「……そうだったんですか……。みなさん、優しい方たちでしたから……」
「…………」
南の魔法使いたちは表情を曇らせた。
晶も双子の言葉に衝撃を受け、俯いた。
「そうか……。あ、いや、結構。覚悟はしてたよ。とても残念だけれどね。だか……。そういうことなら、俺は共同生活に賛成だ。この子たちを石にしたくはない。しかるべき修行をおこなって、〈大いなる厄災〉に備えさせたい」
「備えさせたいって……。フィガロ先生も同じでしょう?フィガロ先生もあんまり強い魔法は使えないし、運動不足で腰が痛いって言ってましたよ」
「あははは。そうだね」
「フィガロ」
「フィガロや」
「フィガロ」
スノウ、ホワイト、ゲルダがフィガロの名を呼ぶ。
「そこの双子の可愛い子たちと綺麗なお嬢さん。ちょっと黙っててくれる?」
「かわいいだって」
「じゃあ、静かにしてよっかな。ゲルダもよいか?」
「ふふっ。そうですね」
元、北の魔法使いでかなりの魔法が使えることをフィガロはどうやら話していないらしい。
そんな雰囲気を察してゲルダは黙ってあげることにした。
「あちらの双子の方とゲルダさんはお知り合いなんですか?」
「ちょっとね。ああ、すまない。脱線したね。改めて、南の魔法使いのフィガロだ。南の国では小さな診療所をしている」
「素晴らしい。お医者様なんですね」
「俺が魔法使いで良かったよ。もし手術に失敗しても、ゾンビにして誤魔化せるからね」
「………」
ラスティカはフィガロの言葉にどう反応したらいいのか分からないようだった。
「冗談だよ」
こういうところは北の魔法使いらしいと思いながらもゲルダは口出しせずに黙ってフィガロを見つめた。
「私はルチル。南の国では学校の先生をしています。この子は弟のミチル」
「ミチルです。学校に通いながら、フィガロ先生に魔法を教わっています。どっちも勉強中ですが、 頑張って、立派な魔法使いになります。だから、南の魔法使いだからどうせ、弱いんだろうなんて、馬鹿にしないでください」
一生懸命、張り切るミチルの姿はとても微笑ましい。
自分の幼い頃を思い出す。
自分も両親に褒められたくて一生懸命頑張っていたな…と千数年前のことをゲルダはふわっと思い出した。
「はい、頑張ってください」
「ありがとうございます!」
「弱いだろ、南の魔法使いは」
「………」
「その上、情に流されやすい。どこで会っても、南の連中は足を引っ張ってくる」
「シノ!」
「言ってやった方がいい。こいつらが全滅しなくてすむように」
優しさ故なのだろうがもう少し言い方があるだろうにと思いながらゲルダは静観していた。