魔法使いと合コン
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「偉大な鳴き声だ。感銘を受けました」
「久しぶりにムルを褒めてくれる人に会いましたね。お二人の名前をお伺いしても?」
シャイロックの言葉に促されてラスティカは再び口を開いた。
「申し遅れました。僕はラスティカ。彼はクロエです」
「よろしく。クロエです。ラスティカと旅をしながら、彼に魔法を教わったんだ。だから、ラスティカの弟子みたいなもの。夢は国一番の仕立て屋になること!」
優雅に挨拶をするラスティカと元気いっぱいなクロエの自己紹介は各々の人柄を感じさせた。
「ラスティカさんはまだ旅を続けていたのですね」
「おや、ゲルダはラスティカを知っているのですか?」
ゲルダの言葉にシャイロックは彼女に問いかける。
「ラスティカさんは私の店の常連さん。よく私の店に紅茶を買いにきてくれたのよ。ここ数年はいらっしゃってなかったんだけどそれは可愛らしいお弟子さんができたからみたいね」
そうしてゲルダはクロエに向かって微笑んだ。
「よろしくお願いしますね。クロエ」
「こちらこそ!ゲルダのことはラスティカから聞いていて、いつか紅茶も飲んで見たいと思っていたんだ。今日、飲めて嬉しいよ。本当に美味しいね!」
「ふふっ、ありがとうございます」
「ところで目的のある旅をしていたのですか?それとも、目的のない旅?」
「消えてしまった僕の花嫁を探すために旅をしています」
「愛のための旅なんですね。花嫁はどのような方なんですか?」
「素晴らしい人です」
「他には?」
「素晴らしい人です」
シャイロックの問いに具体的な言葉ではなく、再び同じ言葉を繰り返すラスティカにクロエは気まずそうに口を開く。
「あの、すみません……。なんていうか、ちょっと色々説明しづらいんですけど……」
「大丈夫。イカれた人には慣れてますので」
「イカれてるって最高!おかしなものって大好き!」
「ふふっ、ラスティカさんは相変わらずですね」
3人は西の国の魔法使いらしくラスティカの様子にも楽しそうに笑った。
ラスティカは晶に視線を向けて優雅に微笑む。
「知らない世界からいらっしゃった賢者様。賢者様も旅をしてらしたのですか?」
「旅をしていたわけではないんですけど……。いつのまにか、この世界にいたんです」
「それはいいですね。旅の支度の手間が省ける」
「あ、あはは。たしかに」
ラスティカの言葉に晶は苦笑いをしながら答える。
「帰る時は、どうやって帰るの?俺も賢者様の世界に遊びに行ける?」
「帰る方法はまだ……。今、探しているところです」
「あ……。そうなのか、ごめんね」
クロエはその一言で事情を察して、申し訳なさそうに眉を下げた。
だけど、すぐに励ますように、明るい笑顔を見せる。
「じゃあ帰る方法が見つかったら俺も一緒に連れて行ってね。それまでに、賢者様の服いっぱい作るから」
「ありがとうございます」
「クロエは手先が器用な子なんです」
ラスティカに褒められてクロエは照れ臭そうに笑う。
「えへへ。ラスティカの服も仕立ててあげたんだ。みんなの服も作ってあげる!」
「ファウスト、作って頂いたらどうですか?先の戦いでズタズタになったでしょう」
話を振られて、紅茶を飲んでいたファウストは、無言でシャイロックを見やった。
そんな様子を気にせずにシャイロックは微笑んで言葉を続ける。
「次は東の魔法使いたちの紹介をしてください」
「……」
席の端を見れば東の魔法使いたちが居心地が悪そうに座っていた。