魔法使いと合コン
まほやく夢小説設定
本棚全体の夢小説設定魔法使いの約束以外の夢小説は一括で変更可能です。
魔法使いの約束は魔法使いの約束の名前変換場所からどうぞ。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こうして合コンという名のミッドナイト・ティーパーティーが行われることになった。
魔法使いたちは各々の出身地順に席に座る。
席について少しすればゲルダが人数分の紅茶を台車に乗せて運んでくる。
それと共に食堂は紅茶の良い匂いに包まれた。
ゲルダは各々の机に紅茶を配り終えると等間隔におかわりの紅茶が入ったティーポットとミルクポットを置く。
そして、最後に晶の前に数個の綺麗な星型のシュガーが乗った小皿をコトリと置いて自身の席に座る。
「では、早速ですが新しく来た人もいますし自己紹介をお願いしてもいいですか?」
「じゃあ、まずは私がしよう」
晶の言葉に真っ先に名乗り出たのはアーサーだった。
「中央の魔法使い、アーサーだ。カインとは以前会ったことがある」
「俺は中央の国の騎士でした。こうしてお会い出来て光栄です」
「中央の魔法使い、リケです。神の使徒として、教団の教えを伝えてきました。あの、責任者の方はどなたですか?」
リケの言葉にカインは困ったように考え込んだ。
「責任者…。賢者様は来たばかりだしな」
「最長老ということで、スノウ様とホワイト様ではないですか?」
シャイロックが双子に視線を向ければ2人は不貞腐れたように呟いた。
「年寄りに責任押し付けるなんて感じ悪ぅ」
「責任取らないように、のらくらしてきたから長生きなんですけどぉ」
「オズじゃない?今はいないけど、一番強いし」
「そうね。この中なら彼が一番適任よ」
オズの名前が出ると、アーサーは明らかにそわそわした。
そんな様子を横目にゲルダは紅茶を飲む。
しかし、アーサーとは逆に隣に座るリケが少女のように愛らしい顔を、険しくしかめる。
「オズという方が責任者なんですね。わかりました。その方はいつ、こちらに、いらっしゃるのですか?」
「それはいい質問だな。誰か知っている者はいないのか?」
2人の問いかけには誰も答えずに沈黙が返ってきた。
アーサーは落胆して、リケは眉をつりあげる。
「誰も知らないのか……」
「誰も知らないのですか?」
「昨日ちょうど帰ってしまいましたからね。こちらから会いに行くしか方法はないと思いますよ」
「代わりに、俺が紹介する。オズは中央の魔法使いだ。以前は中央の魔法使いの中で、指南役……。なんだっけ。先生、トレーナーをしていた。最強の魔法使いだ。知っているものも多いだろうが、あまり、ここに顔を出すことはない。以上だ。次は西の奴らが自己紹介してくれ」
そうしてカインはシャイロックの方に視線を向けた。
その視線を受けてシャイロックは優雅に微笑んだ。
「西の魔法使いシャイロック。西の魔法使いたちの中では先生役をしていました。名ばかりですけど」
「西の魔法使いゲルダ。今回淹れた紅茶の茶葉はうちで作っている物なんです。気に入ってもらえたら嬉しいわ」
そうしてゲルダは微笑んだ。
「西の魔法使いムル!好きなものは、きらきらしたもの!」
「ムル?あの高名な哲学者の?」
ムルの名前を聞いたラスティカは驚いたように、彼の顔を見つめた。
「これは驚きました。お会いできて光栄です、哲学者ムル」
「知ってる人なの?」
「とても博識な、世紀の哲学者だよ。宇宙の真理や、〈大いなる厄災〉について、研究をなさっている方だ」
「へぇ、すごい!」
クロエはラスティカの紹介に感心したように呟いた。
「ウー、ワンワン!!」
「…………!?なに!?天才と奇人は紙一重ってやつ!?」
しかし、ムルの奇行でクロエの中での彼のその第一印象は一気に崩れた。
クロエは困惑した表情でムルを見つめた。