魔法舎に火を放て!
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「…………!」
アーサーは塔の様子を見ると驚いたように目を見開いた。
「これは一体、どういうことだ!?」
「火事!?兵隊さん!?いきなり、何が起きてるんだ!?」
「張り切って名乗りを上げたけれど、なんだか、取り込み中みたいだね」
クロエは予想外の状況に驚いていたが反対にラスティカは冷静だった。
「おいおい……」
ネロは勘弁してくれと言いたげだ。
「……これが外の世界……」
「賢者の魔法使いが、兵隊さんに攻撃されてるんですか?どうして?」
リケは興味深そうにぐるっと塔の中を見回す。
ミチルは混乱したように声を上げた。
「理由なんてどうでもいい。オレは賢者の魔法使いを助ける。すぐに動けなくしてやる」
「待って」
「なんだ」
すぐに動こうとするシノをフィガロが止める。
「軍隊相手だと後が面倒だ。魔法を使って応戦しない方がいい。レノ、頼んでもいいかい?」
「わかりました」
フィガロの言葉にレノックスが頷いた。
「レノさん!私も手伝います!」
「いい。危ないから下がっていろ」
手伝いに名乗り出たルチルにそう声をかけ、レノックスは階段を降りていった。
「な、なんか、格好いい……」
ミチルは少し困惑しながらも憧れとも尊敬とも見れる眼差しでレノックスを見つめていた。
「こ、殺される……!弓を放て!」
「怯んだ隙に逃げろ……!」
「止めろ!」
反撃をしようとする兵隊に向かってヒースクリフは叫んだ。
しかし、それを聞こうとする者は誰もいない。
兵隊たちが弓をつがえる。
しかし、弓を引き絞る前に、レノックスは地面を蹴って、一瞬で彼らに近づいた。
着地すると同時に、勢いよく、回し蹴りをする。
「…………っ!」
レノックスが放った回し蹴りは兵隊を数人蹴散らした。
「「格好いい……!」」
ルチルとミチルはきらきらした瞳でレノックスの回し蹴りを讃称した。
「……あの兄さんはなんだ?傭兵か?」
「いや、羊飼い」
「羊飼い!?」
「……僕が知ってる羊飼いと違う……」
フィガロの答えにネロは驚いたように声を上げた。
無理もない。
リケの言う通り普通の羊飼いはこんな華麗な回し蹴りで兵隊を蹴散らすような力は持っていないだろう。
「デカイな……」
シノはレノックスの戦闘をマジマジと見つめていた。
「うわあああ……っ」
「逃げろ……!」
蹴り込まれた仲間を引きずって、兵隊たちが逃げていく。
レノックスは逃げていく兵隊を見送ると晶に手を差し出した。
「大丈夫か?」
「ありがとうございます……」
シャイロックと晶を助け起こしたレノックスは、不意に目を見開いた。
驚愕を浮かべた眼差しはファウストの方を見据えている。
ファウストも息を呑んでいた。
「おまえ……」
「……ファウスト様……」
どうやらこの2人も知り合いのようだ。
「……兵が魔法舎を攻撃をしたんだな……。みなはここで待っていてくれ。話をつけてくる」
そうしてアーサーは階段を降りていった。
「…じゃあ、私は中庭の火を消してくる。ヒース、これだけ人がいればシャイロックのこともなんとかなるよね?」
「あ、うん。…大丈夫だと思う」
「じゃあ、よろしくね」
そうしてゲルダは窓から外へ出ていった。