魔法舎に火を放て!
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3人の眼前に矢が迫った直前、静かな声が響き渡る。
「《サティナクナート・ムルクリード》」
その途端、無数の矢がなめらかな炎に包まれて、床に落ちる。
舞い落ちる、赤い花びらのような、火の粉の向こうにいた人影は、大怪我をして死にかけていた、ファウストだった。
「ファウスト先生!」
「ファウスト!」
「……っ、ファウスト……」
「……人間たちが襲ってきたのか……」
まだ怪我が治りきっていないのだろう。
痛みと、疲労に、肩で息をしながら、ファウストは嘲笑を浮かべた。
「連中のしそうなことだ……。すぐに怯え、すぐに混乱し、すぐに攻撃する。僕は付き合いきれない。安堵の眠りが欲しいなら、与えてやろう。今すぐに」
そうしてファウストは兵隊を睨みつけた。
「…………!」
ファウストの言葉に兵隊は肩が跳ねる。
その顔は恐怖に染まっていた。
「ファウスト、よすのじゃ」
「我らが人を傷つければ大事になる。堪えるのじゃ」
「堪えていたよ。遠い昔にな。僕の末路がどうだったか、おまえたちも知っているはずだ。…………こんなことを、人間は繰り返すばかり……」
ファウストの話の最中、少し上の方にある広間の向こうの扉から、ガチャンと何かが軋む音がした。
そして続いてガタ、ゴトと何かが運ばれる音がする。
その音にみなの視線が広間の扉に…エレベーターに集中する。
「……っ、エレベーターが……」
「召喚されたのじゃ!」
「新しい魔法使いたちがやってくる!」
「新しい魔法使い……」
「今回はどんな人が来るかな?」
スノウとホワイトの声は嬉しさに弾んでいた。
ヒースクリフははじめてのことに少し緊張しているようだった。
そんなヒースクリフとは反対にゲルダは微笑みながら期待の目でエレベーターを見つめていた。
新しい魔法使いという言葉に兵隊達は焦り、狼狽える。
「新しい魔法使いが襲ってくる!?」
「に、逃げろ……!」
兵隊の数名はバタバタと階段を降りていく。
そんな中、エレベーターのガチャンと止まる音が響いたかと思えばゆっくりと扉が開いていく。
そして、次々に人影が現れた。
「東の魔法使い、シノ。世話になる」
「……シノ……」
「……東の魔法使い、ネロだ。…………。まあ、よろしく……」
最初に現れたのは東の魔法使い。
1人は青髪、赤目の小柄な少年もう1人は水色髪の少量後ろで結んだ青年だ。
反応を見るからに青髪の彼をヒースクリフは知ってるようだった。
「中央の魔法使い、リケです。外の世界のことはあまり知りませんが……。みなさん、よろしくお願いします」
次にやって来たのは金髪に修道服のような服を着た少年。
額には賢者の魔法使いを示す百合の紋章がが見える。
2人石になった中央の国の魔法使いはまずは彼1人のようだった。
「西の魔法使い、ラスティカ。お招き頂いて光栄です。ところで、僕の花嫁を見ませんでしたか?」
「西の魔法使い、クロエです!ラスティカと一緒に旅して、仕立て屋をしてました!あの、よろしく!」
次にやって来たのは西の魔法使い2人。
1人は高貴な雰囲気のミルクティー髪の青年、もう1人は赤髪の可愛い少年だ。
一緒に旅をしていたという自己紹介からこの2人は互いに知り合いのようだ。
「南の魔法使いのルチルです。南の国では教師をしていました。みなさん、よろしくお願いしますね」
「南の魔法使い、ミチル!偉大な魔女チレッタの息子ミチルです。ごほん。お見知りおきを」
「……レノックス。南の魔法使いだ。よろしく」
「南の魔法使い、フィガロだ。どうぞ、よろしくね」
次にやって来たのは南の魔法使い4人。
南の魔法使いらしい柔らかくて温和な雰囲気のクリーム色の髪をした青年。
元気に自己紹介をした茶髪の少年。
背の高い黒髪、赤目の青年の鞄からは小さな羊が顔を覗かせる。
青髪の青年は医者なのだろうか白衣に聴診器をしていた。
これで9人。
エレベーターが動き、最後の1人を連れて来る。
少しすればエレベーターがガチャンと止まり扉が開いた。
「中央の魔法使い、アーサー。賢者様、よろしくお願いいたします」
そこにいたのは白髪の髪に綺麗なアイスブルーの瞳をした少年。
中央の国の王子、アーサー、その人だった。