魔法舎に火を放て!
まほやく夢小説設定
本棚全体の夢小説設定魔法使いの約束以外の夢小説は一括で変更可能です。
魔法使いの約束は魔法使いの約束の名前変換場所からどうぞ。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どこにいったんだ!?逃げたのか!?」
「ブラッドリーは魔法を使ってはおらんかった」
「何か別の力で飛ばされたようじゃ」
「別の力……。奇妙なことが多いですね」
「そうね…。カインの目といい、スノウ様とホワイト様のことといい…」
「そりゃあね。あれだけ、<大いなる厄災>と近づいたんだからね」
ムルは近づけたことが嬉しいと言いたげな笑みを浮かべて言った。
「とにかく、今は、これからやってくる大臣たちをどうするかだ」
「これからやってくる?」
兵隊が見えているヒースクリフはカインの発言に疑問を持ち、聞き返す。
どうやらカインには外にいる兵隊は見えていないようだ。
「ああ、さっき、クックロビンが言ってただろ。心配するな。俺がなんとか……」
「カイン、見えてないのか?もう中庭に、兵隊たちが集まってるよ」
「なに……?」
ヒースクリフの言葉にカインは驚いたように声をあげた。
先程は結界に阻まれて中に入っていなかった兵隊は既に中庭に入ってきており、今にでも魔法舎の中に入ってきそうな勢いだ。
「仕方ありませんね。軽くお相手して差し上げましょう。行きますよ、ムル、ゲルダ」
「いいよ!」
「はいはい」
「待ってください!」
3人が食堂を出て行こうとすると晶がそれを呼び止めた。
「賢者様……」
シャイロックは晶の声に驚いた表情で立ち止まる。
それに続いてゲルダとムルも足を止めた。
「あの、私たちは、<大いなる厄災>と戦うんですよね?どうして、人間と戦うんですか?」
「あいつらが襲ってくるからです」
晶の質問に答えたヒースクリフは怒りに満ちていた。
「クックロビンさん、どうして、人間が魔法使いを襲うんですか?」
「襲ってるつもりはないんです!秩序に従わない魔法使いを、従えたいだけで……」
その言葉を聞いたゲルダはスッと目を細める。
「人間に都合のいい秩序じゃろう?」
「我らを<大いなる厄災>と戦わせて、まだ注文が尽きんようじゃの」
穏やかだったスノウとホワイトも怒りを顕にしてクックロビンに反論した。
「俺たちじゃ戦えないからです!もちろん、みなさんには感謝してますよ!」
「じゃあ、これはパーティーだ!」
「パーティーではないんですけど……」
ムルの言葉にクックロビンは困ったように視線をそらした。
「ひとまず、なだめてきますよ。心配ならさ……」
そこでシャイロックの声が不意に途絶え、彼は眉を顰めた。
「「シャイロック?」」
彼の異変に気がついたムルとゲルダが呼びかけるとシャイロックの左胸から炎があらわれた。
「……っ、くっ……、……うぅ……!」
「シャイロック……!?」
「シャイロックの胸から炎が……!」
胸元をおさえてシャイロックがうずくまった。