魔法舎に火を放て!
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「おい、おまえら!」
その時、ブラッドリーが食堂に現れた。
にやにやと好戦的な笑みを浮かべている。
その笑みにゲルダは嫌な予感を感じた。
「魔法舎の結界を解いてやったぜ」
「なんだと!?」
「……勝手なことを…」
嫌な予感が的中したゲルダは、はぁ…とため息を吐いた。
「もちろん、奴らを殺すためだ。周りを囲んでる連中が襲ってきたら、応戦していいんだろう?<大いなる厄災>では、楽しい思いが出来なかったからな。腕が鳴るぜ」
「ま、待ってください!乱暴なことはしないでください!」
「先に手を出したのはそっちだろう」
クックロビンの言葉にヒースクリフは彼を睨みつけた。
「やれやれ。来年の<大いなる厄災>襲撃に備える前に、人と魔法使いの大戦が起きそうですね」
「あはは!平和なんてそんなもんだよ!」
額縁を抱きながら、ムルがくるくると宙を飛び上がった。
「余裕があるから、仲良く出来るんだ。<大いなる厄災>のせいで世界はめちゃくちゃ!余裕がなくなったら、人も、魔法使いも、優しく出来ない。夜を明るく照らす<大いなる厄災>は愛してあげるのに、近づきすぎたら、押し返すみたいにね」
ムルは猫のような、いたずらな瞳で、皮肉とも、真理ともつかない、言葉を話す。
魔法使いたちの言葉に晶の顔色はサァっと青くなった。
そして焦ったようにブラッドリー見る。
晶はちょっと怒りっぽいお兄さんと、思っていた彼の交戦的な笑みにぞくっとした。
<大いなる厄災>の光よりも、冷たくて、恐ろしい、獣みたいな気迫だ。
「ブラッドリー」
「よさんか。ならぬぞ」
スノウとホワイトがブラッドリーをたしなめるが魔力が弱まっているからかブラッドリーは怯む様子が無かった。
「うるせえ、じじいども。おまえらの言うことなんか聞くもんか。はは……。絵に閉じ込められてる間は本当に、魔力が弱ってるみたいだな」
ブラッドリーは笑いながら絵の中にいるスノウとホワイトを見つめた。
するとそんなブラッドリーの前に剣を抜いたカインが立ちはだかる。
「ブラッドリー、行かせないぞ」
「あはは!剣を抜いたって無駄だ!おまえみたいな若造に止められるもんか!この俺こそ、死の盗賊団の首領!北の魔法使い、ブラッドリー様だ!人間どもも、弱い魔法使いも、皆殺しにしてやる!」
ブラッドリーの言葉に晶は慌てて止めに入る。
「や……、止めてください……!」
「うるせえ!よくも、俺を閉じ込めてくれたな!」
「…………っ」
ブラッドリーの大声に晶はびくりと肩をすくめる。
その瞬間、晶のつけていたショールの羽がふわりと舞った。
「二度とあんな牢獄には戻らな……。……っ、くしょん!」
そしてくしゃみをした直後、ブラッドリーはこの場から一瞬で姿を消していた。
「…………!?」
「……消えた!?」
その様子にみなは目を見開いた。