第七章 春原百瀬
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「百くん。俺も君が俺たちのファンで嬉しいよ。これからもRe:valeの応援をよろしくね」
「!っもちろんです!今日はありがとうございました!」
バンさんの声で我に返り、バタバタとライブハウスを飛び出す。
ライブハウスから少し離れたところで速度を落とした。
(まだドキドキしている…)
走ったこともあるかもしれないが、自分の心臓は過去最高に早く脈打っていた。
夢なんじゃ無いかと思うが、手元にあるトキさんから受け取ったハンカチがさっきあったことは現実なんだと教えてくれる。
憧れのRe:valeの3人と話すことができた。
それだけでも幸福だというのに更に驚いたことに相手がオレのことを知っていた。
トキさんに関しては1回しか会ったことの無いオレのことを覚えてくれていた。
ハンカチを渡す時に近づいてきたトキさんはやっぱり綺麗で、数ヶ月前のオレはなんで隣を歩いて、あんなに気軽に話せたんだ?と思うくらい緊張した。
ステージ上のトキさんは笑みも微笑む程度のカッコいい人。
だけどステージを降りればあの時出会った優しいトキさんがいた。
前会った時も、今日も、笑うのが控えめなのはステージを降りても変わらなかったトキさん。
だからこそ最後に見た感情が全面に出ていた満面の笑みに心臓がどくんとより強く音を立てた気がした。
いつも大人びて見えるトキさんのその笑みは綺麗で可愛くて普段より少し幼く見えた。
そんな表情に少し見惚れてしまった。
バンさんに声をかけられていなかったらあのまま見つめ続けていただろう。
そして…
私たちと出会ってくれてありがとう
あの言葉が真っ直ぐに刺さった。
(お礼を言うのはこっちなのにな…)
オレの方こそRe:valeに会えて毎日が幸せだ。
感謝してもしきれない程の幸せをいつも貰っている。
大人気のRe:valeだ。
他にもファンレターやプレゼントなんてたくさんもらっているだろう。
でもその中で、トキさん達の心にオレが送ったあの手紙が色濃く残っていたことにビックリした。
同時に嬉しさで胸がいっぱいになる。
今は冬。
外はコートを着込むような寒さなのに胸の内はポカポカと暖かい気がした。
収まりきれずに溢れた想いは、はぁ…。とため息になって、夜の闇に消えていった。